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オリックス・佐藤一磨が育成出身4人目の初登板初先発初勝利 憧れの巨人・菅野に投げ勝った

2024年06月10日 05:40

野球

オリックス・佐藤一磨が育成出身4人目の初登板初先発初勝利 憧れの巨人・菅野に投げ勝った
<巨・オ>プロ初勝利を挙げ、ウイニングボールを手に笑顔の佐藤(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【交流戦   オリックス4-1巨人 ( 2024年6月9日    東京D )】 1メートル90、95キロの恵まれた体を、ついにたどり着いた舞台で躍動させた。オリックス・佐藤が、プロ初登板で5回1安打無失点。幼少期から何度も訪れた東京ドームで憧れの菅野に投げ勝ち、チームを5連勝に導いた。
 「前日から凄い緊張して…。小さい頃から見ているマウンドだったので凄く楽しみに、全力で準備しました。しっかり腕を振って自分の球を投げられた」

 育成選手として5年目を迎えた今季。前日に待望の支配下登録を勝ち取り、001から変更された93番の真新しいユニホームで巨人打線に立ち向かった。初回に2点の援護をもらい、その裏に1死からヘルナンデスに左中間二塁打を許す。ここで吉川を二ゴロ、岡本和を中飛に打ち取ってリズムに乗った。

 神奈川・横浜隼人時代も注目されたが、プロでやる自信はなかった。大学へ進み、高校野球の監督を目指そうとしたこともあった。父・大磨(だいま)さん(52)や同校の水谷哲也監督と話し合い「プロに行ってからでも大学には入れる」と考え直し、19年の育成ドラフト1位で入団。レベルの差を痛感し、腰の負傷もありながら、持ち前の生真面目さでコツコツ力を付けてきた苦労人だ。

 「ずっときつかった。プロでは全然うまい選手じゃなかったので。監督、コーチ、トレーナーさんに助けてもらい、よくモチベーション高くできたなとは思います」

 大磨さんは「和食の鉄人」として知られる道場六三郎氏(93)の弟子で寿司職人。試合前には師匠から「しっかり応援するから」と父に連絡があった。前カードの横浜遠征中に実家を訪れた佐藤も寿司が大好物。大事な登板を控えて生ものは極力避け、穴子などでパワーを充てんした。

 育成入団選手の初登板初先発初勝利は、史上4人目。両親が神奈川県藤沢市内で営む店を臨時休業して駆けつけた前で勇姿を見せ「そこが一番うれしい」と感慨を込めた。(山添 晴治)

 ◇佐藤 一磨(さとう・かずま)2001年(平13)4月16日生まれ、神奈川県出身の23歳。横浜隼人から19年育成ドラフト1位でオリックス入団。22年オフに育成として再契約し、昨季は2軍で8勝3敗、防御率3.94でウエスタン・リーグ最多勝。今月8日に支配下選手登録となった。1メートル90、95キロ。左投げ左打ち。

 ▼オリックス・中嶋監督(佐藤の初勝利に)よく投げました。本当に。あの辺の投手たちが最初に投げたのを(2軍監督時代に)見てきているので。いいっすよね。面白いです。

 ▼横浜隼人・水谷哲也監督(佐藤の恩師)パ・リーグ(所属)で初登板で日曜日の巨人戦で、満員の中で投げることはなかなかないことですので、そのハードルを越えましたね。上出来だと思います。高校時代から相手を見ずにミットを目がけて投げることをやっていた。それをぶれずにやった結果だと思います。これがスタート。心も体も技術も、子供たちに目標にされるような投手になってほしいですね。

 ○…8日に支配下登録された佐藤(オ)がプロ初登板初勝利。佐藤は19年の育成ドラフト1位でオリックス入団。育成ドラフト出身投手の初登板初勝利は23年5月21日、中日戦の松井(巨)に続く5人目。先発勝利は4人目。入団5年目は17年篠原慎平(巨)の3年目を上回る遅咲きとなった。

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