送りバントを決めさせなかった「スライダー3連投」 阪神・才木がしっかりピンチの芽を摘んだ

2024年06月10日 08:00

野球

送りバントを決めさせなかった「スライダー3連投」 阪神・才木がしっかりピンチの芽を摘んだ
<神・西>5回、才木は犠打を決める(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神3-0西武 ( 2024年6月9日    甲子園 )】 【畑野理之の談々畑】やると思ったけどなあ。ノーヒットノーラン。あとアウト5つ。惜しいなあ。もし足がつらなければ…なんてやっぱり考えてしまう。両リーグ単独トップの7勝目を挙げた阪神・才木浩人の無双状態は、しばらく続きそうだ。
 大記録のムードは回を追うごとに高まっていったが、決して大げさではなく、西武打線に点を取られる雰囲気は序盤からしなかった。隙を全く見せないシーンがあった。初めて走者を背負った3回1死で投手の渡辺勇太朗にバントを決めさせなかった。渡辺はプロ6年目で初めての打席。簡単に送らせたくない、ここは三振が取れる――。スライダーを3球続けて、狙い通りに全てファウルで三振を奪い、ピンチの芽を摘んだ。

 才木が、バントの難しさを明かしたことがある。「変化球が来たら無理っす。真っすぐならまだいけるけど、スライダーとか来たらもうドンマイみたいな感じです」。この試合、5回1死一塁で打席が回ってきて一発で一塁方向に決めたが、やはりストレートだった。決して得意ではないバントの練習を連日行っているが、まだストレート以外は自信がない。普段打席に立たないパ・リーグの投手も、おそらく同じに違いない。

 捕手の梅野隆太郎もこの場面を振り返る。「失敗させたいなら高めの真っすぐか、もしくはスライダーか。1球目のファウルをみて、これならスライダーでいけると判断して2球目も3球目も続けました。流れ的に先制点は与えたくなかったので、得点圏で対戦したことのない打者を迎えるのはイヤだったのでよかった」

 1番に入っていたのはこの日、支配下登録→出場選手登録されて即先発出場したルーキーの奥村光一。初回先頭で初球の直球を遊ゴロに打ち取っているが、実際の対戦で得た“情報”は、その1球だけ。ユニホームが間に合わず背番号132のまま出場しており不気味にしか映らない。才木は今季4度目の犠打だが、過去3度はその後得点につながっている。<1>4月7日ヤクルト戦の3回、<2>同14日中日戦の3回、<3>5月5日巨人戦の3回。投手がバントを決めて上位打線につなげた時の得点確率の高さは自身が一番知っている。

 7回にようやく3点の援護が入るが、もし先に1点を失っていたら、その後の展開は変わっていたかもしれない。才木―梅野のバッテリー2人の意見が一致した「スライダー3連投」も、勝因の一つだと思う。

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