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大野豊氏 阪神・才木は高めに抜ける直球を減らせば、手のつけられない投手になる

2024年06月10日 05:15

野球

大野豊氏 阪神・才木は高めに抜ける直球を減らせば、手のつけられない投手になる
<神・西>先発した才木(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【交流戦   阪神3-0西武 ( 2024年6月9日    甲子園 )】 【大野豊 視点】才木は足をつった後に軸足の蹴りが弱まった。ノーヒットノーランの達成があったかどうか。アクシデントがなかった先の投球を見てみたかった。
 昨季までは直球とフォークを中心に高低で勝負する投球スタイルだった。今季はスライダーの精度が上がり、ベース板を横に広く使えるようになった。序盤3回まで直球で押し、中盤4回からは変化球の割合を増やした。打たれていないのに組み立てを変更。梅野とのバッテリーで配球の引き出しが多い。

 5回1死二塁では古賀に初球から2球連続でスライダーが外角に外れた。制球を乱しかけたところで球種を変えずに3球目も続け、ストライクを取った。マウンド上で修正できることを示し、梅野もリードで導いた。

 7回に直球とスライダーをファウルされて粘られた栗山には8球目の緩いカーブで空振り三振。どの球種も勝負球にできる。しいて挙げれば、時折高めに抜ける直球がある。この球さえ減らせば、手のつけられない投手になるだろう。

 9回を岩崎で締める形をつくれたことはチームとして好材料だ。ただ、いい当たりで外野まで飛ばされ、まだ本来の直球が戻っていない。開幕からダブル守護神として流動的に登板してきた負担もあるのでは。現役時代の経験に照らせば、8回と9回の順番を決めてもらった方が心身の準備はしやすい。ゲラが1軍に戻ってきた時に2人をどう運用するのか、注目したい。 (スポニチ本紙評論家)

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