クドカン「ふてほど」背景に“深い意図” 意外と「社会にもの申す系」?衝撃の新作で伝えたい事は

2024年01月29日 10:09

芸能

クドカン「ふてほど」背景に“深い意図” 意外と「社会にもの申す系」?衝撃の新作で伝えたい事は
金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」第1話。歌い、踊る小川市郎(阿部サダヲ・左)と秋津睦実似の男(磯村勇斗)(C)TBS Photo By 提供写真
 俳優の阿部サダヲ(53)が主演を務めるTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(金曜後10・00)は26日、15分拡大で初回を迎えた。懐かしの昭和の小ネタに暴言、突然のミュージカル…。純粋な“コメディー”としても初回から見どころ満載のドラマとなったが、物語の背景には、現代社会への問題提起が含まれている。
<※以下、ネタバレ有>

 宮藤官九郎氏がオリジナル脚本を手掛けるヒューマンコメディー。「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」の阿部&宮藤氏&磯山晶プロデューサーが「タイガー&ドラゴン」以来19年ぶりのタッグを組んだ。主人公は1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまう“昭和のダメおやじ”体育教師の小川市郎。彼の“不適切”な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるヒントを与える。

 冒頭、放送スタートと同時に、劇中の不適切と感じられる表現に対し、予め“お断りテロップ”が流れた。

 「この作品には、不適切な台詞や喫煙シーンが含まれていますが、時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み、1986年当時の表現をあえて使用して放送します」とし、冒頭から「おい!起きろブス!盛りのついたメスゴリラ!」と娘を罵倒するシーンが流れた。

 現代では“炎上必至”のコンプライアンス度外視の“ハラスメントワード満載”の衝撃作で、放送後、またたく間にX(旧ツイッター)トレンド1位の大反響となった。

 制作発表会見の際、宮藤氏は「若い人たちはこれを見て、“昭和ってこんな感じだったんだ”って思うかもしれないですけど、別に昭和の人みんな“チョメチョメ”って言ってたわけじゃないですからね。山城新伍さんだけですからね」と冗談交じりに注意喚起していた。

 このドラマの構想は約1年前。「今、いろんなことが“ダメ”って言われるようになったじゃないですか。“これはダメ、ああしちゃダメ”って」と、ダメダメばかりの現代への疑問が背景にあるという。

 「今回のドラマ、サブタイトルが全部『○○しちゃダメですか?』で終わっているんですけど、ダメって言葉に終わりにして、何でダメなのかを考えなくなってきているなと実感して」と思いを明かし、初回のサブタイトル「頑張れって言っちゃダメですか」については「なんで“頑張れ”って言っちゃダメなんだっけ?ということを、昭和の目線で(描いた)。…というか、“頑張れ”としか言われてこなかった我々が、なんでダメなのっていう問いかけをすることで、1話ずつ、あれもダメか、あっこれもダメか…なんでダメなんだっけ?と考えるドラマにしたい」と意図を語った。

 宮藤氏と同い年で、主演の阿部も「サブタイトル、いつも読んでいて面白いなと思っています。確かに確かに…って思う」と共感。「令和に生きている人たちも“分かるなぁ”ということが今後、凄く出てくるので、楽しいと思います」と呼びかけた。

 宮藤氏は「『かわいいって言っちゃダメですか』って回があるんですけど、“かわいい”っていい言葉なのに、言っちゃいけない場とかムードとかあって」と吐露。これらについて「語り合ってほしい」とし、「ドラマの中では、語り合ってはいないんです。この続きを、みなさんで話し合ってほしい」と、作品に込めた思いを明かした。

 その思いは視聴者にも届いていた。放送後、ネット上には「わけわからん感じだけど共感するわ~。なんでも穏便に済ます、遠慮する、事なかれ主義より言いたいこと言ってぶつかって互いを知っていくほうがいいじゃんね」「あかん、世界観全然ついていけない。笑 ただ一つ言えることはこれ。昭和時代好き。令和時代は息苦しい」「話し合いましょう~って。今は話し合うことすらできません」「クドカンすごい!このまま言いたいことを全部言ってくれ!わけのわからんミュージカルを見せてくれ!地上波でおっぱいが見たいんだ!」「結構ふざけたドラマを期待したけど意外と社会に物申す系だった」と、ドラマを見て現代社会に思いを馳せる視聴者の書き込みが多く寄せられていた。

 次回は第2話「一人で抱えちゃダメですか?」(2月2日)が放送される。

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