【王将戦】見事な藤井王将のリカバー ミス悔いながらも平然と飛車取り△5六歩
2024年01月29日 05:05
芸能
菅井も▲5六角と勝負手を放った胸中を局後「変わる手もない」と悲観していた節で語っている。流れの悪さを引きずるように藤井にミスが重なる。△7五歩を藤井は大いに悔やんだ、理由は本譜の▲8七角を「うっかり」したからだ。△7五歩に代えて△8六とならば有力な変化が多くはっきり後手有利だった。
ここからの藤井のリカバーが見事で、自身のミスを悔いながらも平然と飛車を取り△5六歩(A図)と垂らしたのが好判断だった。悪い精神状態で手を渡したので▲5五角の切り返しを藤井は恐れていたが、菅井は▲4六角が読みの本線。以下△5七歩成▲7三銀成△同銀▲同角成△8五飛の手順は先手が苦しい。
菅井は▲5五角も見送り▲5三歩成△同金▲5八歩の辛抱を選択。だがこの手順では勝ちみが薄く、藤井は△6七飛から丁寧に自陣を整備し、最後は△5七歩成とと金をつくり菅井陣を攻略した。(本紙観戦記者)