「今年無理だったらクビかな…」 阪神・村上 プライド脱ぎ捨て、不退転の決意で花開いた3年目

2023年09月15日 06:00

野球

「今年無理だったらクビかな…」 阪神・村上 プライド脱ぎ捨て、不退転の決意で花開いた3年目
<神・巨>平田ヘッドコーチと抱き合う村上(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―3巨人 ( 2023年9月14日    甲子園 )】 阪神・村上は歓喜の輪へ飛び込んだ。1軍への壁を自らつくり、「自分にイライラしていた。1軍が勝ってもうれしい(感情)はなかった」と鳴尾浜でふさぎ込んでいた過去2年。「今年無理だったらクビかな。好きな野球なので失いたくない…」と不退転の決意で臨んだ3年目に花は開いた。
 青柳に同行した1月の自主トレでは技術面だけでなく、「1軍と2軍は全然違うと思っていたけど、ヤギ(青柳)さんからは“全然一緒”と。その気持ちでオープン戦を投げて良かった」と心理面でも大きな気付きを得た。今春キャンプでは「ルールの中でやれることはやっていきたい」と野球人生で初めて無走者でのクイック投法を導入。智弁学園、東洋大を歩んできたエリートのプライドを脱ぎ捨てた。

 身長1メートル75は大柄でなくとも、1メートル71のヤクルト・小川が13年に16勝を挙げて新人王になった姿を見てプロを志した。「大丈夫なんやと。自分も目指されるような投手になりたい」。ファン投票1位で球宴に初出場し、SNSのフォロワー数も倍増。一方で10勝到達の翌日も大阪市内で観戦帰りの阪神ユニホームを着たファンとすれ違っても気付かれなかった。「街中を歩いていてもそんなにバレない。このままでいい」。大きな貢献を誇ることなく無邪気に笑う。“小さな大投手”が喜びに浸った。 (阪井 日向)

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