【阪神・森下翔太 独占手記】胴上げにも参加できて最高な気分 来年は大山さんのように核になる選手に

2023年09月15日 07:00

野球

【阪神・森下翔太 独占手記】胴上げにも参加できて最高な気分 来年は大山さんのように核になる選手に
<神・巨>喜びを爆発させる森下(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―3巨人 ( 2023年9月14日    甲子園 )】 阪神・森下翔太外野手(23)が独占手記を寄せた。後半戦は主に3番を担うなど、球団新人右打者では80年岡田彰布(18本)以来の2桁本塁打を記録。猛虎の新たな歴史に堂々と名を連ねた。
 素直にうれしい。プロ1年目で、甲子園球場という最高な場所で胴上げにも参加できて最高な気分。大声援の中で3安打も打てた。優勝というのはあまり人生で経験してこなかった分、このようにマウンドでチームメートと喜びを分かち合えたのは、言葉では言い表すことができないものだった。

 「打率3割、25本塁打」。大きな目標を掲げて臨んだ1年目。正直、自信はあった。しかし、現実は甘くなかった。オープン戦とシーズンはまったくの別世界。シーズンに入ると相手投手はすさまじい気迫で向かってきた。マウンド上の投手が近く感じ、大きく見えた。実は大学の時にも同じ見え方をした時があった。振り返れば当時も緊張感や、重圧を感じていた。

 出場11試合目だった4月16日のDeNA戦。3打席連続三振に終わり、試合後に初めて2軍降格を告げられた。今年の中で一番つらく、落ち込んだ。開幕からスタメンで出場させてもらいながら、メンバーから外れたことが悔しかった。結果を出せず、ストレスを抱え込んでしまっていた。ただ、2軍を経験したことで大切なことに気づけた。「1軍の試合に出たい」。鳴尾浜球場にいる誰もが同じ思いで必死に練習をしていた。この思いを忘れてはいけないと心に決めた。原点に戻れたことが良かったと実感した。

 1軍では日々勉強だった。近本さんは、試合前、試合中、相手投手の交代時など常にデータを見ていた。実は交流戦の試合中に、あることを教えてもらった。「打席に入る前の時点で、相手投手の全部の球種に対して、どう打つかを考えている」。想像を超えた考えだった。今でも理解が追いつかない思考。ただ、それができないと1軍では活躍できないと痛感した。フミさん(原口)は凄く話を聞いてくれたり、意見交換もしてくれる。長く現役で活躍されている方は確立した考えを持っていることにも気づいた。

 出場30試合目となった7月9日のヤクルト戦では96打席目で初本塁打。この1本で本当に気が楽になり、自信にもなった。その後につながる一打だった。

 ファンの方々の声援が、日に日に大きくなっていることは実感していた。甲子園球場でヒッティングマーチがお披露目された8月29日のDeNA戦は試合前の声出し役を担当。円陣では自分のヒッティングマーチを熱唱した。その日から2試合連続無安打でチームも連敗。岡田監督には「応援歌できてからあかんな」と…。先輩からもメチャクチャにイジられた。先輩方が新人の僕にも気を使って、やりやすい雰囲気をつくってくれている。タイガースに入団できて本当に良かった。

 これからはCSや日本シリーズへ向かう。阪神の伝統ある背番号1をつけ、その番号に恥じない結果を残し続けることが大事。今は大山さんが不動の4番に座る。来年は大山さんのようなチームの核になる選手になるため、重圧を感じ続けながら活躍する選手になりたい。3番という打順を不動のものにし、本塁打にはこだわりを持ってやっていく。見ててください!(阪神タイガース外野手)

《5度目の猛打賞》
 森下は節目の一戦で広角に快音を連発した。初回は中前打、4回は右前打。6回は左前打で先制点につなげた。3打席連続安打で8月15日の広島戦(マツダ)以来、5度目の猛打賞。過去2戦は無安打だったことで強い意気込みで臨んだ。「打てていなかったので、今日は打ちたいと思っていた。気合を入れていました」。優勝決定試合での爆発で印象度は大。プロ1年目からの胴上げも体験し、大はしゃぎだった。

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