近本がいたから阪神は独走Vだ!“体内ストライクゾーン”見直して変身 語り継がれるMVP級の活躍

2023年09月15日 05:15

野球

近本がいたから阪神は独走Vだ!“体内ストライクゾーン”見直して変身 語り継がれるMVP級の活躍
阪神・近本 Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―3巨人 ( 2023年9月14日    甲子園 )】 阪神・近本は優勝を決める決勝生還を果たした。6回先頭で中前打。プロ5年目までの通算764安打は前夜に並んだ長嶋茂雄(巨人)を超え、歴代単独2位だ。1死後、森下の左前打で三塁へ。そして、大山の中犠飛で本塁を踏んだ。バットで、足で、18年ぶりの美酒をたぐり寄せた。
 「いい勢いで試合ができましたし、選手それぞれが役割を果たした。(胴上げは)よく上がってんなぁ…と思ってました」

 代えのきかない存在だということを強く印象付けた。7月2日の巨人戦での死球で右肋骨を骨折。不在の間、チームは5勝6敗と苦しんだが、7月22日の復帰後は猛烈な勢いで勝ち続けた。8月は月間打率・327、4本塁打と打ち、独走態勢に貢献した。

 体づくりにバク転やダンスを取り入れる探究心の塊。今季も新たな試みをした。最新測定機器の数値を元に、昨季どれだけボール球に手を出したかを把握した。

 「シーズン前からボール球を振らないことを決めていた。Zゾーン(ストライク)とボールゾーンのどちらでコンタクトして、スイングしているのかデータで出ている」

 “体内ストライクゾーン”を見直したところに岡田監督の四球重視の戦略も重なった。リーグトップ5に入る数を選ぶほど、劇的な四球増につながった。

 入団当初、評価が高かったのは実は「打」だけだった。新人だった19年の春季キャンプ。筒井外野守備走塁コーチが「3年以内にゴールデングラブ賞を獲らせる」と宣言すると、関係者から笑われたという。それほど守りの評価は低かった。盗塁の技術も同様だった。持ち前の研究熱心さで今や三拍子そろった中心選手に成長。公約通り21年から昨季まで2年連続でゴールデングラブ賞を獲得した。成長は止まらない。今季の活躍はMVP級として語り継がれる。(倉世古 洋平)

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