阪神・佐藤輝「一番最高な日」今季1号は最遅、2軍降格…苦手夏乗り越え、20号で優勝貢献

2023年09月15日 06:30

野球

阪神・佐藤輝「一番最高な日」今季1号は最遅、2軍降格…苦手夏乗り越え、20号で優勝貢献
<神・巨>6回、佐藤輝は2ランを放つ(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―3巨人 ( 2023年9月14日    甲子園 )】 歓喜を確信させる驚弾に、甲子園は確かに揺れた。6回2死一塁。阪神・佐藤輝がバックスクリーンへ打ち込んだ。前夜の満塁弾から2戦連発。プロ野球7人目、左打者では初の「新人から3年連続20号」に到達した。
 「間違いなく僕史上で一番最高な日ですね!個人のことはどうでもいいので、勝ったことがうれしい」

 「5番・三塁」の固定方針を示されて迎えたプロ3年目。いばらの道を歩んできた。4月26日の巨人戦で記録した開幕から20試合、75打席目での1号は自身最遅。「その時はまだ全然です」と振り返るほど低空飛行を続けた。先発を外れた6月24日のDeNA戦では試合前練習で守備・走塁練習をせず、試合が始まってもなかなかベンチ裏から出てこない。岡田監督の堪忍袋の緒は切れ、2年ぶり2度目の2軍降格を命じられた。

 7月5日の再昇格後も、練習時間ぎりぎりに甲子園入り。岡田監督よりも遅く到着していることがばれて、再び怒りを買った。その“事件”が発端となり、半ば強制的な早出特打が始まり、自らの打撃と向き合い続けた。

 「動作の確認。それだけに集中してやっている」

 誤解をされている部分も多い。ある球団関係者は「佐藤は居残り派」と明かした。ウエートトレは試合後の日課。スクワットの数値は、チームトップレベルをマークするという。それこそが、誰もが憧れる飛距離の源。強制特打の試行錯誤が実を結び、8月に月間打率・300で上昇。過去2年では苦手とした夏場を乗り越え、9月は11戦5発でラストスパートに貢献した。「いろいろ試しながら、一つハマったかな。いい感じで打てているので、来年以降も続けていきたい」。紆余(うよ)曲折を経て、最後はさらなる飛躍への扉を自らの力で押し開いた。(阪井 日向)

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