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ライデル超えの期待抱かせる“熱くてクール”な中日23歳右腕・松山晋也の素顔

2023年10月28日 08:30

野球

ライデル超えの期待抱かせる“熱くてクール”な中日23歳右腕・松山晋也の素顔
9月30日の巨人戦で勝利した松山晋也と立浪監督 Photo By スポニチ
 「相手も一流ですし、研究してくるとも思うので、自分も、もっとレベルアップしないといけない。真っ直ぐを強くするのもそうですし、50試合登板は目安。160キロも目指したいですね」。闘争心むき出しのマウンド姿から想像できないほど、実はクールで知的、さわやかな好青年タイプ。中日・松山晋也投手(23)だ。
 9月30日の巨人戦で1―1の8回に登板し1回零封すると、直後に石橋の決勝ソロでプロ初勝利。今季36試合で1勝1敗、17ホールド、防御率1・27。特に奪三振能力に優れ、35回1/3で50三振を奪い、奪三振率12・74は圧巻の数字だ。負けん気の強さがにじみ出るような打者に向かっていく強気な姿勢も、ベンチの信頼をつかんだ。

 「僕って、どう見えていますかね?」。松山から自身の印象を尋ねられた時、ちょっと困った。気迫全開のマウンド姿が思い浮かび、「オラついて…、いや、目がバッキバキ…、いやいや、え~っと、気が強い方なのかなあ、なんて思っていますねえ」、なんて言葉を選んで伝えると、「僕、そんなキャラじゃないんですよ」と困惑する表情が愛嬌たっぷりで興味深かったので、注意深く観察。すると本当にそうだった。

 優しげな目。マウンドでの鋭い眼光とは全然違った。口調や物腰も、めっちゃ柔らかい。「肉、焼けていますよ、どうぞ」とか、こちらのグラスが空く前には必ず「お飲み物、どうされますか?」と気配り上手。個人的には、食事の席での体育会系マナーは、自分が得意ではないこともあって相手にも求めないのだが、できないより、できる方が断然スマートに見えるのは間違いなく、松山の所作は無理がなく、自然で、スマートに映った。

 体調管理に務める意識の高さも、その人柄を物語る。下戸ではないが、お酒は付き合いで最初の一杯を頼むかどうか。「やっぱりアルコールを摂取すると、次の日の体調に影響するので」。常に野球のことを考え、次回登板に備えていた。

 絶対的守護神ライデル・マルティネスという最高のお手本が目の前にあり、自身も強い向上心がある。「ライデルという高い壁を、と思っています。やっぱり、いなくなってから“ライデルの代わり”というのは好きではないので。いる時に越えられるように」。育成から急ブレークした右腕には、さらなる成長曲線を描く予感が漂っている。(記者コラム・湯澤 涼)

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