広陵・真鍋 4年後の姿に期待 指名漏れの悔しさを晴らすチャンスはまだある

2023年10月28日 08:15

野球

広陵・真鍋 4年後の姿に期待 指名漏れの悔しさを晴らすチャンスはまだある
広陵・真鍋慧 Photo By スポニチ
 26日に行われたプロ野球ドラフト会議。広陵高(広島)の会議室には約50人の報道陣が集まり、高校通算62本塁打を誇る真鍋慧内野手(18)の指名を待っていた。
 16時45分頃に真鍋と中井哲之監督が会議室に姿を現し、じっと中継モニターを見つめていた。指名の瞬間を捉えようとカメラマンも真鍋にレンズを向ける。そんな緊張感に包まれる状況で、約2時間が経過。4位までの指名を終えても名前は呼ばれず、真鍋は監督とともに、会議室から退席した。張り詰めていた空気が落胆に変わった瞬間でもあった。

 真鍋はドラフト会議前から3位以内で指名されなければ、大学進学する“縛り”をつけていた。家族と相談した上で、プロの評価が低ければ、大学に進学して技量を上げると決意してドラフト当日を迎えたが、いざ現実を突きつけられると、辛いものがあった。会場では表情一つ変えることなかったが、中井監督は「ショックを受けている」と指名漏れ直後の様子を明かし、続けて、「これが現実。力がないとは思っていませんし、大学でひと回り大きくなって、今の悔しさ、切なさをばねにして頑張ってもらいたい」と今後の成長に期待を寄せた。

 高校球界を沸かせてきた真鍋を初めて取材したのは今年1月27日の選抜大会出場決定日だった。一番印象に残っているのは食事での白米の量を聞いたときのことだ。「毎食1キロぐらい白米を食べている。食べるのは得意ではないですけど、広陵に入って、結構食べられるようになった」と真鍋。食事も練習の一環――。大学まで相撲部だった記者は、食べることの大変さも理解できるからこそ、影の努力には感心した。ウエートトレーニングも重点的に取り組み、体重は半年で4キロほど増量。ストイックな“食トレ”が自慢の長打力を支えていた。

 今回、高卒でのプロ入りは果たせなかったが、真鍋にはまだチャンスがある。指名漏れしたことで、順位縛りが影響したなど、さまざまな報道がなされているが、フォーカスするところはそこではない。悔しさを糧に、4年後にどんな姿を見せてくれるか。この先の成長を楽しみに、真鍋を見守りたい。
(記者コラム・長谷川 凡記)

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