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阪神・岡田監督「普通になんかやる必要ない」 村上には“偵察指令”日本シリーズへ勝負師モード

2023年10月28日 05:15

野球

阪神・岡田監督「普通になんかやる必要ない」 村上には“偵察指令”日本シリーズへ勝負師モード
日本シリーズ開幕を前に厳しい表情の阪神・岡田監督(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 「SMBC日本シリーズ2023」は28日、京セラドーム大阪で開幕する。セ・リーグ覇者の阪神・岡田彰布監督(65)は27日、パ・リーグ3連覇のオリックス・中嶋聡監督(54)と顔合わせをした監督会議後から勝負師モードに突入。情報不足の相手のため、口癖のように唱えてきた「普通に」のフレーズを全否定し、「普通になんかやる必要ない」と大号令。同時に、第1戦の先発を託した村上頌樹投手(25)に打線の弱点を探るように偵察指令を出した。
 岡田監督は現実主義者だ。理詰めで物事を考える。日本シリーズの相手のオリックスとは、1勝2敗と負け越した6月の交流戦で3試合しただけ。とにかく情報が少ない。「スコアラーの報告は来るけど、本当に報告やから」。だからこそ、レギュラーシーズン終盤とクライマックスシリーズで口癖と化していた「普通に」の言葉を禁句とした。

 「セ・リーグ同士なら、あれだけ勝ってきたわけやから。(CSでは)アドバンテージもあるし、そら普通にやったら有利というのは分かるやん。でも、(日本)シリーズは分かれへん。だから、普通になんかやる必要ないわな。シーズンと全然違うわけやから」

 近本、中野が出塁して大山、佐藤輝が還すパターンも、下位打線で好機を演出する形も、うまくいくかどうか分からない。「(キーマンは)そんなん、こっちが教えてほしいわ」。ましてや、第1戦は3年連続で「投手4冠」を誇る日本球界最高投手の山本。簡単に点を取れないのは百も承知だ。日本シリーズを制するためには、早い段階で攻撃でも守備でも攻略の糸口がほしいのが本音。練習前のミーティングで異例の指令を出したことを明かした。

 「探っていこうって言うただけよ。どこに投げたら打たれへんっていうのが分からへんわけやから。探りを入れるにはいいピッチャーやでって、村上には言うたけどな。コントロールがいいからな」

 第1戦を託した自軍の村上に勝利を期待するとともに、2戦目以降に役立つ、“生きた情報を引き出してこい”とばかりに偵察指令を下した。

 ついに本番モード。練習後も終始ピリピリした雰囲気だった。しかし、その2時間半前の監督会議は穏やかだった。質問も舌戦もなくわずか10分で終了。その後も現役時代はチームメートだった中嶋監督との写真撮影でも談笑する場面があった。その敵将との顔合わせを終えてから勝負師の顔へ切り替わった。

 自らが率いた05年の日本シリーズはロッテに4連敗を喫した。「前回のことは忘れている。いい結果じゃなかったので」。あれから18年。日本一になる難しさを誰よりもわかっているからこそ、決して浮ついた言葉を口にしなかった。1点でも相手を上回るために死力を尽くす覚悟だ。(倉世古 洋平)

 <岡田監督の開幕前日ひと言>★3月30日シーズン開幕前日 20代中心の若いチームを「不安もあるけど、楽しみの方が大きい」とし「終わった時にアレになっているように。それだけ」

 ★5月29日交流戦開幕前日 データが少ない相手を攻略する秘けつを「シンプルにやることよ。まず自分らの戦い方を変えんことやな。パやからって慌てる必要ないし」

 ★7月21日後半戦開幕前日 8番遊撃以外で開幕戦メンバー起用を示唆「新たなスタートやから。そういう意味では、今年開幕からやっていこうとしていたことを、またそれが良い形ではまればいいよな」

 ★10月17日CSファイナルS開幕前日 広島・新井監督の「めちゃくちゃする」宣言に「受けるよ。俺は。(試合は)普通にやる。シーズンの戦い方でもええんちゃう」

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