ソフトバンク1位・前田「プロでどれだけ通用するか感じたい」 魔球チェンジアップで勝負

2023年10月28日 06:00

野球

ソフトバンク1位・前田「プロでどれだけ通用するか感じたい」 魔球チェンジアップで勝負
ソフトバンクの永井編成育成本部長(左)から王会長、小久保新監督のサインボール、ドラフトの当たりくじを手渡された大阪桐蔭・前田(撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 ソフトバンクからドラフト1位指名された大阪桐蔭・前田悠伍投手(18)が27日、大阪府大東市の同校で同球団の永井智浩編成育成本部長(48)らの指名あいさつを受けた。前田は同校OBの西武・中村剛也内野手(40)、楽天・浅村栄斗内野手(32)、オリックス・森友哉捕手(28)と球界を代表する右の大砲と、魔球チェンジアップで勝負する日を心待ちにしていた。
 7限目授業後の30分学習の始まりを告げるチャイムが校舎内に響いた。ブレザー姿の前田は、初上陸となる九州でプロ1年目から勝負する球を明かした。

 「一番の武器は、チェンジアップなので。高校の間で通用した時の球が、プロでどれだけ通用するかを感じてみたいし、一日も早く1軍に上がりたい」

 魔球チェンジアップで、偉大な先輩たちと張り合う。そんな決意だった。父、兄に教わって中学1年の試合から、すでに習得し投げていた球種。持ち球は直球、カーブ、スライダー、ツーシーム、そして魔球。同じパ・リーグには大阪桐蔭出身で球界屈指の右の大砲として知られる中村(西武)、浅村(楽天)、森(オリックス)がいる。初対戦時から投げると決めた。「チェンジアップで力試しをしたいですし、あとはどの球が通用するか」。多彩に仕留める青写真を描いていた。

 高卒1年目から先発として勝ち星でも先輩にも並びたい。名門出身の18歳は夢、希望にもあふれている。藤浪(現オリオールズ)が高卒で阪神入団1年目に10勝。その姿をテレビで見ていた。「勝ち星数も取りたいので、まずは体づくり」。1メートル80、80キロの均整の取れたボディーを来春までにさらに追い込む。

 マウンド同様にトークも落ち着き放つ将来のエース候補に、永井編成育成本部長は、球団で高卒1年目に8勝を挙げた武田を上回る素質があると太鼓判を押す。「(武田)以上のものはあるし、それ以上いくかも」。その裏付けは、国際舞台でも改めて輝きを放った魔球だった。

 8月31~9月10日に台湾で行われたU―18W杯に球団は、スカウト陣をローテーションで派遣し情報共有。前田は決勝戦含む3試合に先発し3勝を挙げる圧巻の投球を披露した。「チェンジアップでも何種類もあって。高校生の時点でチェンジアップ中心の投球技術が、1年目から1軍で勝っていける実力がある。間違いないなと」と永井本部長。まさに確信ありの1位左腕は、冷静に言う。「大阪桐蔭の看板があるので野球においても責任ある行動が必要」。魔球を武器に持つ真っすぐな男は覚悟を持って、新たな世界に飛び込む。 (井上 満夫)

 ○…前田は来春からの九州初上陸に思いをはせた。18年間で一度も行ったことがないという。九州のイメージを問われると「食べ物がおいしいイメージ。博多ラーメンと海鮮ですかね」。辛いもの以外は何でも来いの左腕は「楽しみですし、食べてみたいですね」と、ご当地グルメも堪能するつもりだ。

 ◇前田 悠伍(まえだ・ゆうご)2005年(平17)8月4日生まれ、滋賀県出身の18歳。古保利小2年から高月野球スポーツ少年団で野球を始め、6年時にオリックスJr選出。高月中では湖北ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。2年時の甲子園は春優勝、夏ベスト8で今春はベスト4だった。1メートル80、80キロ。左投げ左打ち。

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