「セクシー田中さん」 原作者の権利について弁護士が解説「尊重する態度が制作者側にあったのか」

2024年01月31日 17:45

芸能

 弁護士の萩谷麻衣子氏が31日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にコメンテーターとして生出演し、昨年10月に日本テレビでドラマ化された人気漫画「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が死去した件について法律の観点からコメントした。
 芦原さんは26日にSNSで、同作のドラマ脚本を巡るトラブルを公表。「毎回、漫画を大きく改変したプロットや脚本が提出されていた」と主張していた。あえてセオリーを外して描いた展開を王道の展開に変更される、個性の強い各キャラクターが別人のようなキャラに変更される、作品の核として描いた社会問題のシーンが大幅に削除されたことなどを挙げていた。8~10話はドラマオリジナルの展開で、芦原さんがあらすじからせりふまで用意することを条件に挙げていたものの、脚本は大幅に改変されており、最終的に9、10話は芦原さん自身が脚本を担当した。

 一連の問題について、萩谷氏は「権利関係がどうなっていたのかどうか、非常に気になるところで、最初に出ていたドラマ化する条件、これが契約書などにきちんと落とされていて、それが制作者側と原作者側で共有されていたのかなというのが非常に気になります」と疑問を口にした。

 また原作者が、原作を保護する権利として「著作者人格権」を持っていることなどを解説。「ドラマなので、完全にまったく改変しないで作るのはまず難しいと思う。そのへんを著作者側と制作者側がどれだけコミュニケーションをちゃんと取って進めていたのかな、というところにも問題があると思います」と、やりとりの経緯で生じた問題も指摘した。

 萩谷氏は「最終的には原作者も脚本家もどっちも苦しむ結果になってしまって、本当に残念」と話し、「作品というのは、原作者の精神的活動から生み出されて、精神性やメッセージ性や思想性が大事に注ぎ込まれているものなんですよね。そこを尊重するという態度が、制作者側にあったのかなというところが、気になるところです」と問題視した。

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