森優作 映画「ミッシング」で体を張った演技 石原さとみの「狂気を感じた」

2024年05月15日 18:24

芸能

森優作 映画「ミッシング」で体を張った演技 石原さとみの「狂気を感じた」
インタビューに応じた森優作 Photo By スポニチ
 俳優の森優作(34)が17日公開の映画「ミッシング」(監督吉田恵輔)で体を張った演技を見せている。主演の石原さとみ(37)が「自分を壊したかった」と女優生命をかけた作品で、初共演した石原の熱を全身で受け止めた。全てをぶつけ合った車中の撮影は「記憶がない」ほど集中。石原の「狂気を感じた」と語る作品について聞いた。
 映画は娘が失踪し、闇に突き落とされた家族の物語。ニュース報道を見た人によるSNSでの誹謗(ひぼう)中傷によって、心を失っていく母親を石原が、森はその弟を演じた。

 「石原さんと最初に撮影したのが、表に引きずり出されるシーンでした。石原さんが、『カメラを回す前からやりたい』と、撮影前から僕の服を掴んで。最初から120%の力で向かってこられたので、必死でついていかなくてはと。作品にかける狂気のような思いに圧倒されました」

 失踪直前に少女と過ごしていた土井圭吾は、その言動から要注意人物としてマスコミにマークされるようになる。

 「圭吾は、いたって普通の人間なんですけど、人に何かを伝えなくてはいけないときに、口を紡ぐことで、周囲に誤解されてしまうタイプ。よかれと思ってやったことが、真逆になってしまったり。僕自身も実生活の中でそういうところがあるので、似ているなと感じました」。

 進まない捜査に苛立ち、絶望感が広がっていく。SNSに個人情報をさらされ攻撃的になる姉と、言葉足らずの弟。終盤、車中で思いをぶつけ合う場面は胸に迫るものがある。

 何度も撮影できないと、10回以上段取りを重ねて準備した。完成した映像を見ても「喉がカラカラになる」と全身全霊をかけた撮影前、役者人生で、初めての“お願い”をしたという。

 「体操をして気分転換をしていたとき、ふと吉田監督を見たらゲームしていて、『えっ!』と驚いたんです。でも、この雰囲気だったら大丈夫かな。甘えようと思って『ハグしてください』と言いました。実は石原さんにも、『姉ちゃんだからいいだろう』と思って『ハグしてください』って、抱きしめてもらったんです。2人の熱を肌で感じ、エネルギーをもらい本番に入りました。そんなことを言ったのは初めてで…。必死過ぎて撮影中の記憶はないんです」

 見ているこちらも力が入るシーンの撮影は、半日をかけた。「終わった後はみんな繋がっている感じがありました」と充実した表情を見せた。

 「野火」、「佐々木、イン、マイマイン」「ゾッキ」など話題の映画に多く出演してきた。

 転機となったのは、2019年に出演した舞台「美しく青く。演出・出演も務めた赤堀雅秋に「自分をなくすことの大切さを教わった」と感謝する。

 放送中のドラマ「約束~16年目の真実~」(読売テレビ・日本テレビ)でもその独特の佇まいで、画面に緊張感をもたらしている。影のある役が多いが「コメディーにも挑戦してみたい」と笑顔。「演じれば、演じるだけ自分の中に、いろいろな人間が宿っていく。人を知ることで、厚みがある人間を演じられるようになると思う」。若きバイプレイヤーのさらなる飛躍に期待したい。

 ◆森優作(もり・ゆうさく)1989年(平成元年)12月4日、大阪府生まれ。映画「『また、必ず会おう』と誰もが言った」で2013年にデビュー。15年に出演した映画「野火」では、高崎映画祭の最優秀新人男優賞を受賞した。169センチ、A型。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2024年05月15日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム