永瀬九段 藤井王座挑戦へトーナメント1回戦勝利 王座奪回へ「負けない将棋」で再出発
2024年05月15日 22:45
芸能
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振り駒の結果、永瀬が後手となり、郷田の角換わり腰掛け銀を迎え撃った。郷田は王将2期など通算6期のタイトル獲得経験があり、1回戦に名を連ねた16人では佐藤康光九段(54)、羽生善治九段(53)と並ぶ50代のベテラン。4段目で2枚銀が並び立つその頭へ歩を打たれた永瀬は44手目、その銀を逃げず、駒損の銀桂交換へ踏み込んだ。午前中から流れが激しくなった。
さらに70手目、またも駒損の飛車金交換を挑み、手駒にした金で郷田馬を捕獲。さらに自陣へ侵入してきた郷田竜と桂を、角2枚と金銀香で封じ込める根性の受け。駒の損得はほぼないが、その効率で勝る永瀬が優勢を拡大して押し切った。
「粘り」「負けない将棋」と称される棋風通り、郷田が投了した永瀬の104手目は、攻めの指し手ではなく郷田の竜、成桂を封じ込める自陣への金打ち。8冠独占の昨年10月11日から217日。永瀬が復活への第一歩を記した。