「虎に翼」遅咲き51歳名脇役・岡部たかし、朝ドラ父・直言役への反響に驚き＆喜び“娘”伊藤沙莉にエール
2024年05月29日 08:15
芸能
【「虎に翼」猪爪直言役・岡部たかしインタビュー（下） 】
女優の伊藤沙莉（30）がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」（月～土曜前8・00、土曜は1週間振り返り）は29日、第43回が放送され、“遅咲きの俳優”岡部たかし（51）が好演してきた主人公の父・猪爪直言の最期が描かれた。岡部は視聴者の泣き笑いを誘う圧巻の名演を披露。インターネット上で話題を集めた。岡部に撮影の舞台裏を聞いた。
＜※以下、ネタバレ有＞
向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子（ともこ）の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。
法律を学びたいという娘の夢を後押しした優しく寛大な父親だが、妻・はる（石田ゆり子）には頭が上がらない直言。「共亜事件」に巻き込まれ、弱さも露呈したが、その分、人間味にあふれた。
そして第43回は1946年（昭和21年）秋、直言は半年近く優三（仲野太賀）の死亡告知書を隠していた。栄養失調と肺炎が悪化し、もう長くはないと診断。最期を悟り、家族を枕元に集めるが…という展開。
直言は「ごめん」「知らせが来て、つい隠してしまった。今トラが倒れたら、うちは、我が家がダメになると思って、そう思って言えなかった」と寅子（伊藤沙莉）に謝罪。「俺はこの通り、弱い、ダメな愚かな男なんだ」と自責の念にかられた。
しかし「トラが結婚した時、正直、優三くんかぁとは思った」「もちろん、トラが幸せなら、それでいい。でも、花岡くん（岩田剛典）がいいなぁって、思ってた。だよな、はるさん」――。優三には感謝しつつも、花岡の下宿先に土産を持っていったこともあると打ち明けた。はると寅子は困惑、花江（森田望智）と直明（三山凌輝）は開いた口がふさがらない。そこから次から次へと“ぶっちゃけ懺悔”が飛び出した。
寅子「でも、お父さんだけだったよ。家族で、女子部に行ってもいいって言ってくれたのは」「どんな私になっても、私をかわいい、かわいいって、いっぱい言ってくれたのは、お父さんだけ。それは、この先も変わらないから」
直言「当たり前だろ。トラは俺の誇り、宝物なんだから。トラ、ごめん」
直言らしい泣き笑いの最期となった。
クランクアップした現在の心境を尋ねると、岡部は「割と朝8時からリアタイ（リアルタイム視聴）できていまして、規則正しい生活を送っています（笑）。前の日にどれだけお酒を飲んでも、8時前には目が覚めて。やっぱり見たいんですよね。こうやって人は朝ドラにハマるんだな、と（笑）。撮影していた頃が懐かしいなぁと感じたり、視聴者の皆さんと同じように『ここで終わるんかい！』と思ったりしながら見ています（笑）。友人からは『あれはアドリブなのか、そうじゃないのか』とか、よく聞かれますね」と明かした。
朝ドラ出演はアホのおっちゃん役を演じた23年度後期「ブギウギ」に続き、2作連続5作目。24歳の時、役者を志して和歌山から上京。演劇プロデュース・ユニット「城山羊の会」などに出演し、実力派として知られていたが、22年10月期のカンテレ・フジテレビ系「エルピス―希望、あるいは災い―」など映像作品でもブレイク。50歳にして一躍、名バイプレーヤーの仲間入りを果たした。
今回は朝ドラヒロインの父という“大役”。「出演が決まった時、オンエアが始まった時、直言が共亜事件の裁判に臨んだ第5週の放送時と、だんだん反響が大きくなっていったのは実感しましたね。他の現場でスタッフさんから声を掛けていただいたり、街でも『お父さん、いつも見てる』とか。これまでは街で声を掛けられることはあんまりなかったですから」と驚き、喜んだ。
“宝物の愛娘”が今後“地獄の道”を進む姿は天国から見守る。
役者同士としては「僕らに言えないプレッシャーとかもあると思うんですけど、とにかく最後まで健康でいてほしいですね。朝ドラは先が長いですから」と伊藤の無事の完走を祈願。これから寅子は裁判官になり、家庭裁判所の発足にも尽力。“父”としては「沙莉ちゃんに対して言っているようなものですが、寅子にもまだまだ困難なことが起こると思うので、何とか乗り越えていってほしいなと思います」とエールを送った。
＝インタビューおわり＝
向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子（ともこ）の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。
法律を学びたいという娘の夢を後押しした優しく寛大な父親だが、妻・はる（石田ゆり子）には頭が上がらない直言。「共亜事件」に巻き込まれ、弱さも露呈したが、その分、人間味にあふれた。
そして第43回は1946年（昭和21年）秋、直言は半年近く優三（仲野太賀）の死亡告知書を隠していた。栄養失調と肺炎が悪化し、もう長くはないと診断。最期を悟り、家族を枕元に集めるが…という展開。
直言は「ごめん」「知らせが来て、つい隠してしまった。今トラが倒れたら、うちは、我が家がダメになると思って、そう思って言えなかった」と寅子（伊藤沙莉）に謝罪。「俺はこの通り、弱い、ダメな愚かな男なんだ」と自責の念にかられた。
しかし「トラが結婚した時、正直、優三くんかぁとは思った」「もちろん、トラが幸せなら、それでいい。でも、花岡くん（岩田剛典）がいいなぁって、思ってた。だよな、はるさん」――。優三には感謝しつつも、花岡の下宿先に土産を持っていったこともあると打ち明けた。はると寅子は困惑、花江（森田望智）と直明（三山凌輝）は開いた口がふさがらない。そこから次から次へと“ぶっちゃけ懺悔”が飛び出した。
寅子「でも、お父さんだけだったよ。家族で、女子部に行ってもいいって言ってくれたのは」「どんな私になっても、私をかわいい、かわいいって、いっぱい言ってくれたのは、お父さんだけ。それは、この先も変わらないから」
直言「当たり前だろ。トラは俺の誇り、宝物なんだから。トラ、ごめん」
直言らしい泣き笑いの最期となった。
クランクアップした現在の心境を尋ねると、岡部は「割と朝8時からリアタイ（リアルタイム視聴）できていまして、規則正しい生活を送っています（笑）。前の日にどれだけお酒を飲んでも、8時前には目が覚めて。やっぱり見たいんですよね。こうやって人は朝ドラにハマるんだな、と（笑）。撮影していた頃が懐かしいなぁと感じたり、視聴者の皆さんと同じように『ここで終わるんかい！』と思ったりしながら見ています（笑）。友人からは『あれはアドリブなのか、そうじゃないのか』とか、よく聞かれますね」と明かした。
朝ドラ出演はアホのおっちゃん役を演じた23年度後期「ブギウギ」に続き、2作連続5作目。24歳の時、役者を志して和歌山から上京。演劇プロデュース・ユニット「城山羊の会」などに出演し、実力派として知られていたが、22年10月期のカンテレ・フジテレビ系「エルピス―希望、あるいは災い―」など映像作品でもブレイク。50歳にして一躍、名バイプレーヤーの仲間入りを果たした。
今回は朝ドラヒロインの父という“大役”。「出演が決まった時、オンエアが始まった時、直言が共亜事件の裁判に臨んだ第5週の放送時と、だんだん反響が大きくなっていったのは実感しましたね。他の現場でスタッフさんから声を掛けていただいたり、街でも『お父さん、いつも見てる』とか。これまでは街で声を掛けられることはあんまりなかったですから」と驚き、喜んだ。
“宝物の愛娘”が今後“地獄の道”を進む姿は天国から見守る。
役者同士としては「僕らに言えないプレッシャーとかもあると思うんですけど、とにかく最後まで健康でいてほしいですね。朝ドラは先が長いですから」と伊藤の無事の完走を祈願。これから寅子は裁判官になり、家庭裁判所の発足にも尽力。“父”としては「沙莉ちゃんに対して言っているようなものですが、寅子にもまだまだ困難なことが起こると思うので、何とか乗り越えていってほしいなと思います」とエールを送った。
＝インタビューおわり＝
