「どやさ」で人気 今くるよさんが膵がんで死去 76歳 相方いくよさんの9回目命日前日に…

2024年05月29日 05:15

芸能

「どやさ」で人気 今くるよさんが膵がんで死去 76歳 相方いくよさんの9回目命日前日に…
09年、舞台復帰を果たし、「どやさ」を披露した今くるよさん(左)。右は相方の今いくよさん Photo By スポニチ
 1980年代の漫才ブームを支え、女性お笑いコンビのパイオニアとして長年活躍した「今いくよ・くるよ」の今くるよ(本名酒井スエ子=さかい・すえこ)さんが27日、膵(すい)がんのため大阪市内の病院で死去した。76歳。京都市出身。吉本興業が28日、発表した。ふくよかな体形とド派手な衣装を武器に、おなかを勢いよく叩いて「どやさ」と繰り出す、底抜けに明るいキャラクターで愛された。
 相方のいくよさんの9回目の命日だった28日、1日違いで亡くなっていたことが明らかになった。

 同じマンションの隣同士の部屋で暮らすなど、仲がいいことで知られた「今いくよ・くるよ」。いくよさんが2015年に死去して以降は「気落ちすることが多かった」(関係者)と、1人で仕事をこなし、近年は体調も崩しがちで表舞台からも遠ざかっていた。親しかったタレントのシルク(年齢非公表)によると、くるよさんは施設に入所しており、20年来の親しいマネジャーにみとられ息を引き取った。

 最後に舞台に上がったのは2022年4月2日。大阪・なんばグランド花月で行われた吉本興業創業110周年の特別公演「伝説の一日」に車椅子で登場。黄色い派手な衣装に身を包み「どやさ」と、変わらぬギャグで笑いを誘った。最近は、くるよさんのものまねでも知られるお笑いコンビ「中川家」ら後輩の活躍を楽しみに過ごしていたという。

 くるよさんは高校卒業後に会社員を経て70年、夫婦コンビ「島田洋之介・今喜多代」の喜多代さんに弟子入り。高校時代の同級生で同じソフトボール部だったいくよさんに声をかけ、71年にコンビを結成。吉本に入り73年にうめだ花月で初舞台を踏んだが、当時吉本には女性コンビがおらず、10年近くほとんど仕事がない状態が続いた。

 転機になったのは80年。「横山やすし・西川きよし」「ツービート」「B&B」を世に送り出し、漫才ブームの起爆剤となったフジテレビ系「花王名人劇場」に出演したことだった。当時のことを、くるよさんは本紙に「笑いがなかったら放送されへんという約束で10組の中の1組で行った。100メートル全力疾走するくらい息も切れた。おなかも叩いた。司会のやすし師匠が“お前ら1着やぞ!”と言ってくれたことがうれしかった」と振り返っていた。

 細身で派手なメークのいくよさんと、ふくよかな体形で奇抜な衣装のくるよさんがコントラストとなって人気はうなぎ上り。持ちギャグの「どやさ」は後輩芸人にまねされ幅広い世代に広まった。頂点を極めても、変わらぬ親しみやすさと人柄の良さで愛された。

 今 くるよ(いま・くるよ、本名酒井スエ子=さかい・すえこ)1947年(昭22)6月17日生まれ、京都市出身。70年に今喜多代さんに入門。71年、高校の同級生の今いくよさんと「今いくよ・くるよ」を結成。81年に上方お笑い大賞の金賞、84年には上方漫才大賞の大賞を受賞。15年に大阪市市民表彰を受賞。昨年にはコンビで上方演芸の殿堂入りした。

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