乗車中に襲撃された駐日ジョージア大使、加害者との和解を報告 受け取った「示談金」は能登半島地震へ寄付

2024年05月29日 10:16

芸能

乗車中に襲撃された駐日ジョージア大使、加害者との和解を報告 受け取った「示談金」は能登半島地震へ寄付
ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使X(@TeimurazLezhava)から
 ジョージアのティムラス・レジャバ特命全権大使が、29日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。昨年7月の襲撃事件について、和解に至ったことを報告し、示談金を能登半島地震被災地へ寄付したことを発表した。
 昨年7月、大使車を乗車中に「突如ドアをあけられ攻撃されました」と、何者かに襲撃されたことを動画を添えて報告していたレジャバ大使。動画では、何者かが突然ドアを開け、後部座席に座っているとみられる大使に手を伸ばす様子が映されている。大使は「日本の法執行機関のしかるべきご協力に期待します」としていた。

 事件から10カ月以上が経ったこの日、「本件に関して、多くの方からお問い合わせを頂いておりました。結論が出たためご報告させて頂きます」として、「和解」を報告した。

 「本件によって、暴行・威力業務妨害など少なからぬ迷惑を被りました。外交官の不可侵という観点からも懸念の種にもなりました。また、これらは私だけではなく専属ドライバーに対しても同様に負荷がかかりました」と振り返り、「当初、加害者がまるで反省の色がなく捜査に非協力的で、さらに私が外交官である特異な性質上などから事件裁きにしばらく時間を要していました」と説明。

 「私は成り行きに任せていましたが、事件から半年が経っても一向に進展がなく解決の糸口も見えなかったため、一歩踏み込んだ動きを取ろうと、告訴に踏み切りました。もちろん、早い段階で結論が出ることを望んでいたため、この決断に煩いを感じました」と、告訴に至ったことも明かした。

 その結果、「案の定、告訴するや否や、物事は動き始めました。加害者は一時的に逮捕され、罪を認めました。その段階で、ようやく直筆の謝罪の手紙が届きました」と経緯を明かし「私はその謝罪文に対して、一定程度の理解を示しました。しかし、謝罪することは最低限のマナーであるし、何にせよ半年以上が経っていたとこを考慮すると納得するには遠く及びませんでした。それにこちらに対する労りの言葉もありませんでした。だから、謝罪は受け入れられないと加害者に伝えました」と、理解を示した上で、謝罪を受け入れない決断をしたことを回顧。

 「念のため、加害者とは全て弁護士を通じてやり取りを行っていたことを明記しておきます」とした上で、「その後、告訴は進み、その結論を迎える期日が迫っておりました。加害者は罰を負わされ、犯罪経歴が付くなど痛手を負うことが予期されておりました。それにも関わらず、先の手紙の後、加害者からは何の便りもありませんでした。私の中で、加害者が法的な罰は受けなければならないという考えと、事件を寛容に解決させたい気持ちが交錯しました。どうするべきか、頭の中で何度練ったか分かりません。そして、これは何より自分自身が決めなければならないことであり、逡巡しました。自分の動きひとつで人の今後に影響を与えることになるのだから。結局、私は和解に向けて最善を尽くそうという考えに至りました」と、最終的には和解に至ったとした。

 「このような経緯で、沈黙が続く加害者に対して、私の方から心情を問いかけてみました。本来は相手からのアクションが必要であるのは言うまでもありませんが、心の内を開くことは時折そう簡単なことでないこともよくある話です。すると、それが功を奏しました。加害者から二通目の手紙が届きました。それはとても赤裸々なもので“自分自身の弱さや限界を謙虚に認める事の大切さ”“謝罪方法がわからない状態になっておりました”などとその心理が紐解かれており、その上で真摯な謝罪がありました。それに加えて、労りの気持ちとして示談金の提案がありました」と、大使側から問いかけたところ、示談金の提案があったと説明。

 「私はすぐさま全面的に受け入れようと決心しました。そして、間も無く告訴も取り下げました。人同士が対話によって和解できればそれに越したことはありません」と、受け入れたことを明かした。

 「多くの方にご心配をおかけしました。これでこの事件は解決されました。あたたかいお言葉もたくさん頂き感謝しております」と周囲の言葉にも感謝。

 続けて「さて、これまで加害者と書いてきましたが、解決したからにはその呼び方も辞めます。堂々と生きられることは幸せなことだと思います。そしてどんなことも、悔い改めれば報われると私は信じます」とし、「私は小さな人間ですが、本件に関して、できる限り寛容な気持ちでひたむきに尽くしました。またここに至るまで、専属ドライバーである田面徹さんと一貫して協力してきたし、彼のおかげもあってこのような結論に辿り着くことができました」と各方面への配慮を記した。

 そして「最後に、示談金から弁護士費用を差し引いた額を全て『石川県令和6年能登半島地震災害義援金』として石川県へ送金致しました」と寄付を発表。「金額は公開しません。本件に関して、数字は本質的な意味を持たないからです」と締めくくった。

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