伊藤淳史 常に本気の育児論 私生活では3児の良き父 ドラマでは「クズ男」

2024年09月01日 05:00

芸能

伊藤淳史 常に本気の育児論 私生活では3児の良き父 ドラマでは「クズ男」
子育てに奮闘する伊藤淳史は穏やかな笑顔(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 【夢中論】ドラマや映画で当たり役を次々と物にしてきた個性派俳優の伊藤淳史(40)。私生活では2010年に結婚し、3児の子育てに奮闘している。「子供は本気でぶつかってくる。こちらも本気です」。育児にも仕事にも全力で向き合っている。(前田 拓磨)
 伊藤の休日は朝5時半から始まる。「6歳の長男に起こされるんです。朝食を取った後、6時半には公園に行って遊びではなく、気合を入れてトレーニングをします。メニューはランニング、縄跳び、平均台、懸垂」。7時過ぎに帰宅すると、今度は長女(8)を連れて公園に行き、似たメニューをこなす。最後は次男(3)。公園で走り回った後、別の公園に移ってサッカーをする。「仕事がない日の方が早起き。子供3人を公園に連れて行ってほぼ一日が終わった感じなのに“まだ午前9時なの!?”という生活を送ってます」。くしゃっと笑った顔に幸福感があふれた。

 子供たちとトレーニングをするのは独自の考えがあるからだ。芸能活動と並行して小学校から高校までサッカーに打ち込んだ。そこで得た体力は芸能界を生き抜く力になった。「セリフを覚えるのも体力勝負。朝から晩まで撮影した後、徹夜でセリフを覚えることもある。どんな仕事でも、体力があれば大概は乗り越えることができる。だからこそ、体を鍛えることを大切にしている。勉強は取り戻せるけど、体力は早い段階から鍛えた方がいい」

 子供とは「常に本気」で向き合っている。「子供は本気でぶつかってくる。だから、こちらも本気。子供を怒らなくなった瞬間、子育てを諦めることにつながる。ダメなことはダメと厳しく言ってます」。子供が成長するにつれ、仕事のやり方も変えた。「家庭では家族の時間に集中したい」。その思いから、自宅にいる時に台本を開くのをやめた。読む場所は主に行きつけの喫茶店とバー。「どちらも結構うるさい。撮影現場も静かなわけではない。集中できない環境に自分を置いた方が現場に近くなるし、逆に集中して覚えることができる」

 周囲に振り回されるシャイな役がよく似合うが、そのイメージと素顔は全く違う。「アクティブな性格。全部自分で決めないと気が済まないタイプです」

 芸能活動を始めたのは3歳の時。祖母と「テレビに出てみたい」などと会話をしたのがきっかけだったという。人気子役になり俳優としても活躍。フジテレビ「電車男」で気弱なオタク青年、同局「西遊記」でお調子者の猪八戒などを演じた。記憶に新しいのは今年1月期の主演作「離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―」(テレビ朝日)。妻の不倫に気付かないふりをし、娘の親権を取るべく奮闘する夫を好演した。

 そして放送を控えるのが主演作「私の死体を探してください。」(テレビ東京、3日スタート)。今回は一転して、自身が不倫をしているのに妻の収入に頼り切りというクズ男役だ。「今まで演じたことがない役。クズという以外に言葉が見当たらない。自分にとって大きな挑戦ですけど、ひどければひどいほどドラマは面白くなる。とことんクズ男になりました」

 昨年40代に突入。子役からの芸歴は既に40年近くになった。「楽しい世界ですけれどつらいこともたくさんあった。大変な時間というのは凄く長く感じました」。自ら子供に芸能界入りを勧めることはない。「やりたいことをさせてあげたい。その中で芸能の仕事と言ったら応援したい。お父さんと同じ仕事に就きたいと思ってもらえる父親はいい父親だと思う」。試練を乗り越えてきた、ひたむきな背中を子供たちに見せ続ける。

 ≪山口紗弥加とは10年ぶりの共演≫「私の死体を探してください。」は星月渉氏による同名小説が原作のミステリー。伊藤演じる主人公は、ベストセラー作家の妻(山口紗弥加)の収入で生活する無職。ある日突然妻が消息不明となり、ブログで次々と暴かれる秘密を頼りにその行方を追う。山口とはTBSドラマ「家族狩り」で恋人役を演じて以来、約10年ぶりの共演。「久しぶりな感じは全くなく、毎日楽しく撮影できた」と振り返った。

 ◇伊藤 淳史(いとう・あつし)1983年(昭58)11月25日生まれ、千葉県出身の40歳。芸能界デビュー後、フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげです」の人気コーナー「仮面ノリダー」のチビノリダー役で脚光を浴びる。97年「鉄塔 武蔵野線」で映画初主演。16年「映画 ビリギャル」で日本アカデミー賞優秀助演男優賞。

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