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【日本ダービー】“5頭出し”キズナ産駒 上位独占も視野

2024年05月22日 05:30

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 今年の日本ダービーには不敗の皐月賞馬ジャスティンミラノ、同じくスプリングSまで3戦全勝のシックスペンスを筆頭に5頭のキズナ産駒がエントリーしている。種牡馬キズナのダービー成績は初年度産駒ディープボンドの5着が最高着順で、昨年は出走産駒なしだったのだが、自身を含む7頭の優勝馬を送り出した父ディープインパクトがクラシックから完全に撤退した今年は一転、最強のダービー父系の後継者としての自覚が芽生えた感じだ。
 ちなみにフルゲートが18頭に固定された1992年以降、同一種牡馬の産駒が5頭以上出走したケースは、97年ブライアンズタイム産駒の5頭出しが最初。この時はサニーブライアン、シルクジャスティスのワンツーで決着した。以降はキズナの祖父サンデーサイレンス、そして父ディープインパクトによってそれぞれ5回ずつ記録されている。サンデーサイレンス産駒は最多8頭出しの04年以下、ディープインパクトが優勝した05年の7頭、02、03年の6頭、99年の5頭。ディープインパクト産駒は初の2代制覇を果たしたディープブリランテなど7頭の12年が最多で、16年(この年は1~3着を独占)、21年が6頭、父子2代の3冠馬コントレイルが出た20年、種牡馬として国内最後のダービー参戦となった22年が5頭出しだった。

 節目の年に「数の論理」で勝負をかけるのはサンデーサイレンス~ディープインパクト父系の伝統といえる。先例に倣えば、史上初の“父系3代制覇”はもちろん、上位独占、さらには不敗の3冠馬誕生まで視野に入ってくる。いずれにせよ、第91回日本ダービーが種牡馬キズナの転換点となるのは間違いないだろう。
 (サラブレッド血統センター)

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