藤井正弘の血統トピック藤井正弘の血統トピック

【宝塚記念】復活ソールオリエンスが“父の雪辱”へ

2024年06月19日 05:30

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 宝塚記念が京都競馬場で行われるのはグレード制導入の1984年以降、今回で4度目となる。ディープインパクトが楽勝した06年、ライスシャワーに悲劇が襲った95年、同期のメジロ牧場生産馬ワンツーで決着した91年。過去3回のイレギュラーはそれぞれに印象的だが、中でも若き日の横山典弘騎手の手綱でメジロマックイーンを突き放したメジロライアンの快走は、33年が経過した今なお記憶に鮮明だ。
 今回はメジロライアンと同じ昨年の日本ダービー2着馬、ソールオリエンスが横山武史騎手とのコンビで出走する。同馬は菊花賞、有馬記念、そして前走の大阪杯と、父のキタサンブラックが現役時に制したG1で3連敗中だが、一方で父が3着に敗れた皐月賞に優勝し、同じく父が14着と大敗した日本ダービーでも2冠制覇にあと一歩まで迫っている。「父子2代」よりも「父の雪辱」が血統的なミッションという見方もできるだろう。宝塚記念は堅実無比を誇った父が古馬G1で唯一、馬券圏外の9着に大敗したレースである。

 ソールオリエンスは昨年の覇者でもある同じ父のスーパーホース、イクイノックスと常に比較される立場。どうしても成長力という点でバイアスがかかってしまう面があるのだが、半兄ヴァンドギャルドは4歳に富士Sで重賞初勝利を挙げた。5歳になりドバイターフで2着に入り、翌年も3着。母系にも早枯れの要素は全くない。母の父モティヴェイターは一昨年の覇者タイトルホルダーと共通で、いわば最先端の宝塚記念配合。復活のお膳立ては整っている。(サラブレッド血統センター)

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