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日本ハム・新庄監督 古巣愛ゆえ「勝ちたかった」虎退治1勝 “虎采配”1番起用・江越とどめ弾

2023年06月10日 06:00

野球

日本ハム・新庄監督 古巣愛ゆえ「勝ちたかった」虎退治1勝 “虎采配”1番起用・江越とどめ弾
<日・神>江越と勝利のハイタッチを交わす新庄監督(撮影・高橋 茂夫) Photo By スポニチ
 【交流戦   日本ハム4―0阪神 ( 2023年6月9日    エスコンF )】 日本ハムは9日、セ・リーグ首位の阪神に4―0で快勝。就任2年目の新庄剛志監督(51)は、昨年の交流戦で屈辱の3連敗を喫していた古巣から待望の初白星をもぎ取った。昨年オフに阪神からトレードで移籍した江越大賀外野手(30)を今季初めて1番に抜てきすると初回は中堅で好守備を見せ、4回は4号ソロで貴重な追加点。チームは連敗を3で止め、交流戦は勝率5割に戻した。
 4―0で勝利まであと1死。マウンドの田中正の元に新庄監督が歩み寄る。2死一、二塁。一発を打たれても、まだリードしている。「表情が硬い。全部真っすぐでいってホームラン打たれて」。リラックスさせるために言った。その言葉通り、守護神はミエセスに全3球の直球勝負。最後の飛球は中堅・江越のグラブに収まった。

 新庄監督がマウンドに行くのは今季初で極めて珍しい。理由は古巣・阪神戦だったから。就任1年目だった昨年は屈辱の3連敗。「タイガースに育ててもらって、そのチームを相手に僕が監督をしている。不思議な感覚」と特別な思いがこみ上げる中、待望の初勝利に「今日は勝ちたかった」と感慨を込めた。

 試合開始5時間前。勝利への思いは、昨季までの8年間、阪神に在籍した愛弟子に託した。午後1時。グラウンドで早出練習を行っていた江越に直接、先発起用を伝えた。「1番で行くぞ」。古巣相手に今季初の1番抜てき。粋な計らいに江越も応える。3―0の4回2死で西純から右翼席に貴重な追加点となる4号ソロ。お立ち台では「ヒーローになれると思っていなかった」と声を弾ませた。

 新庄監督が現役時代に守った中堅守備でも、初回2死一塁の大山の中前打で三塁を狙った一塁走者・前川を好返球で刺した。指揮官も「あれは本塁打の価値がある」と称賛。江越が伸び悩んだ阪神時代の関係者らから冗談交じりに「覚醒させたらノーベル賞を獲れる」と言われており「何とか花を咲かせたい。(賞は)頂く」と決意をにじませる。

 本拠地ながら阪神ファンからも大きな声援が送られた一戦。新庄監督にとって敵将の岡田監督はプロ入りから4年間同僚だった。自身がブレークした93年に阪神を退団した大先輩で「気は使いますよね」と冗談めかすが「素晴らしい監督。面白い野球をしますよね」と尊敬の念を抱く。

 「ファンの盛り上がりが(面白い試合に)させてくれるのかなと、しみじみと思った」と新庄監督。4位のチームは連敗を3で止め、交流戦は勝率5割に戻した。まだまだ借金生活が続いているが、最下位が指定席だった昨季とは違う。今後への弾みをつける、特別な1勝になりそうだ。(田中 健人)

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