【虎番リポート】集えば9割がチームの話 阪神救援陣を支える「91年組」の強い絆

2023年06月23日 07:30

野球

【虎番リポート】集えば9割がチームの話 阪神救援陣を支える「91年組」の強い絆
阪神・梅野(後列中央)らが、昨年まで阪神に在籍した陽川(手前左)を交えて同期会を開催(後列左は岩貞、同右は岩崎、前列右は加治屋=梅野提供) Photo By 提供写真
 岩貞は、ふさわしい形容詞を探していた。「何なんだろうな…唯一無二…他のチームメートとは違いますよね。抑えたらうれしいし、この前グッチ(原口)が打った時もめちゃくちゃうれしかった。やっぱり同じ時間を過ごしてきているので、思い入れが違いますよね」
 16日のソフトバンク戦(甲子園)で決勝打を放った原口の活躍を誰よりも喜んでいた。高卒、大卒の違いこそあれ、2人は同世代。他にも岩崎、加治屋、渡辺雄、秋山、梅野がおり、投手と野手それぞれでチームの中核を担っている中堅組だ。梅野は言う。「刺激というか、みんなが引っ張っていますよね。いろんな役割があって、後輩のサポートも含めて(同世代の)みんなでやっていこうと団結してます」。その結束を固める場が“同期会”という名の食事会。キャンプ中、交流戦期間中と、今年もすでに2度開催した。

 どんな話をしているのか。再び岩貞が教えてくれた。「チームに関する話が9割。例えば若い選手への助言でも、僕がいいと思っていることも、他の人は良くないと思うこともある。そういうことを食事会で話して。“それは言わなくて良くない?”とか」。“アレ”を目指すチームが一つになっていくためにはどうするべきか。会食というより「会議」の意味合いのほうが、近いのかもしれない。

 切磋琢磨(せっさたくま)する関係でもある。ソフトバンクから移籍3年目の加治屋は今季、開幕から22試合連続無失点の球団新記録をマーク。無双の裏には、岩崎の存在がある。「ここでけん制入れるの?とか。マウンドでの振る舞いは凄く参考にしている。タイガースの厳しい環境の中でリリーフの一角を担ってきた精神力、打者との向き合い方。今年は食事の機会も多いですし岩崎が同級生ですごく良かったなと」

 プレーでも、姿勢でもお手本だった能見篤史氏、藤川球児氏、福留孝介氏らがチームを去った頃から、会話の内容は変わってきた。リリーフを束ねる岩崎も「ブルペンにはカジもサダもいる。自分とは違う視点で2人が若い子に言ってくれる」と信頼は厚い。強い絆で結ばれる男たちが根幹を担う集団は、そう簡単に崩れない。(遠藤 礼)

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