エンゼルス・大谷“虫の知らせ”特大26号 打席で顔付近に飛来も集中力切らさず

2023年06月28日 02:30

野球

エンゼルス・大谷“虫の知らせ”特大26号 打席で顔付近に飛来も集中力切らさず
<エンゼルス・ホワイトソックス>4回、虫を払いのけるために打席を外す大谷(左)(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【ア・リーグ   エンゼルス2―1ホワイトソックス ( 2023年6月26日    アナハイム )】 虫も殺さぬ顔をして26号特大弾だ。エンゼルスの大谷翔平投手(28)が26日(日本時間27日)、「3番・DH」で出場したホワイトソックス戦の4回、3試合ぶりとなる同点26号ソロ。直前に虫が顔付近に襲来するハプニングにも動じることなく一発を放った。本塁打王争いのライバルとなるホ軍のルイス・ロベルト外野手(25)に3本差に迫られた直後、再び4本差をつける一撃だった。
 虫も、ボールも振り払った。1点を追う4回1死走者なし。大谷が3ボール1ストライクからの5球目、内角スライダーを完璧に振り抜いた。右翼へ446フィート(約136メートル)の特大弾。苦虫をかみつぶしたような顔の右腕シースも「普通なら大丈夫なコースだけど、彼は仕留めたね」と脱帽するしかなかった。

 本来は不吉な予感となる“虫の知らせ”も大谷には吉兆だ。特大弾の打席。カウント1―1からの3球目を前に、顔付近に小さな虫が飛んできた。打席を外し右手で何度も顔の前を払った。4球目の前も右手をフリフリ。それでも集中力が切れることはなかった。

 昨季サイ・ヤング賞投票2位で、21年のメジャー初の投打出場試合でも一発をお見舞いしたシース。直前まで1安打投球だった右腕からの一発をフィル・ネビン監督も「手に負えないくらい好投していたシースからよく打った」と称えた。初回には、リーグ本塁打2位のホ軍・ロベルトが先制22号ソロ。3本差に迫られたが、そんな「虫のいい話」はないとばかりに目の前で、再び4本差に広げた。

 これで24号から3本連続で内角球での一発。厳しい内角攻めも「飛んで火に入る夏の虫」状態だ。残り4試合の6月はこれで11本塁打。07年7月の松井秀喜、21年6月には自身がつくった日本選手月間最多の13本にあと2本とし、年間52発ペースに。自身メジャー最多の月間24打点で、62打点も再び両リーグ単独トップに立った。

 1―1の9回無死一塁は四球で出塁。2ストライクからの3球目に、二塁走者のトラウトと重盗を決めた。6年目で初の2人での重盗「トラウタニ・ラン」で相手バッテリーは「虫の息」。結局、1死二、三塁からの暴投で、トラウトがヘッドスライディングでサヨナラ生還した。走者なしから打者3人以下でインプレーの打球がないままのサヨナラ勝ちは、85年のレッズ以来38年ぶりという珍劇勝でもあった。

 試合がなかった地区2位・アストロズとゲーム差なしの3位とし、ワイルドカード出場圏内に0.5ゲーム差に迫った。大谷は27日(日本時間28日午前10時38分開始)の同戦で投打同時出場予定。勝って兜(かぶと)の緒を締めた「野球の虫」が、無心で勝利を追い求める。(アナハイム・笹田幸嗣通信員)

 ≪今季8度目の440フィート以上≫大谷の26号は打球飛距離446フィート(約136メートル)。今季8度目の440フィート(約134メートル)以上の一発はアクーニャ(ブレーブス)と並びメジャートップ。3位はオルソン(同)の6本、4位はライリー(同)の4本とブ軍勢が上位を席巻している。今季最長弾はスタントン(ヤンキース)が4月2日のジャイアンツ戦でストリプリングから放った485フィート(約148メートル)。

 【大谷と虫】

☆21年5月16日 フェンウェイ・パークでのレッドソックス戦。1点を追う9回2死から敵地名物「ペスキー・ポール」と呼ばれる右翼ポール際へ、両リーグトップタイの12号逆転2ラン。その後ベンチに座った大谷の目に虫が飛来。頬を膨らませ「フーッ」と追い払う姿を米メディアがツイッターで紹介した。

 ☆22年7月14日 本拠でのアストロズ戦。1点を追う4回2死三塁、カウント2―0となったところで虫が周囲をさまよった。大谷は打席を外し、顔の前や体の前を何度も手で払った。結局3―1からの5球目が暴投となり大谷は四球で同点となった。

 ☆同8月6日 敵地Tモバイル・パークでのマリナーズとのダブルヘッダー第2試合。5回1死走者なしカウント2―2からの7球目を前に、大谷の顔付近に虫がまとわりついた。この際も何度も虫を振り払う動きを見せ、結果は左飛に終わった。

おすすめテーマ

2023年06月28日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム