阪神・前川 プロ初の猛打賞 岡田監督絶賛「打点も挙げるし、つなぎもできる。ホント、いい仕事」

2023年06月28日 05:15

野球

阪神・前川 プロ初の猛打賞 岡田監督絶賛「打点も挙げるし、つなぎもできる。ホント、いい仕事」
5回無死、三塁打を放った前川(中央)はベンチに向かってガッツポーズ(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神11ー3中日 ( 2023年6月27日    甲子園 )】 阪神・前川右京外野手(20)が27日の中日戦でプロ初の3安打猛打賞の活躍を見せ、5連敗からの脱出と首位返り咲きに大きく貢献した。3回は右前適時打で一挙5得点に絡み“甲子園初打点”を記録。低調だった打線を14試合ぶりの2桁得点へ活性化した。左腕からも初安打し、今後は投手の左右を問わず固定起用の可能性が高まった。
 前川が鮮やかに苦境を打開した。11日ぶりの勝利を呼び、横浜で明け渡した首位の座を2日後の甲子園で奪い返した。初めて経験した本拠地の殊勲の壇上。「2年目の前川右京です」と初々しくあいさつした。近本の右犠飛で5試合ぶりに先制した3回。なお2死二塁で柳から放った右前適時打で3点目を奪った。智弁学園時代も活躍した甲子園での初打点がついた。

 「(スライダーに)めっちゃ詰まってしまったが、早めにタイミングを合わせていた。いい感じに詰まってくれたので良かった」

 5回先頭では藤嶋から中越え三塁打。中押し3得点の起点になり、4回に返された3点分を取り返した。6回無死一塁では福から粘り腰の中前打。「久々の左投手。(体が)めくれずに壁をつくって打とうと思った」。1軍で左腕と対するのは15日のオリックス・山田(遊ゴロ併殺)以来2打席目。確かな技術に裏打ちされた3安打が全て得点に絡んだ。

 「結果が出たのはうれしい。一打席一打席、チャラにするというか、打っても打たなくても“ゼロ”からスタートする気持ちで打席に入っている」

 一度“死んだ身”だ。高卒2年目で抜てきされた5月30日の西武戦のデビュー戦から10打席連続で安打が出ず「生きた心地がしなかった」ともがいた。6日の楽天戦で「7番・DH」での先発出場を告げられ、そばにいた島田にポツリと弱音を吐いた。「ラストチャンスですよね…」。開幕から16打席連続無安打を経験した島田には心情を理解され、静かに送り出された。そして、7回に生まれたプロ初安打。ベンチで万歳して誰よりも祝福してくれたのが同じ外野を争うはずの島田だった。

 「本当に凄い先輩たちの中で野球ができているので、一日一日必死に食らいつきます」

 異なる投手からの3安打で左腕からも初安打。岡田監督には「打点も挙げるし、つなぎもできる。ホント、いい仕事」と絶賛され、投手の左右に関係なく固定起用を示唆された。右肩上がりの成長曲線。低調だった打線をこれだけ活気づければ、もう外せない。(八木 勇磨)

 《兄のバースデーに》○…前川が誕生日だった2学年上の兄・夏輝さんに活躍を贈った。夏輝さんが津田学園3年時の19年夏の甲子園大会に智弁学園1年だった前川とともに兄弟出場。バースデーを迎えるにあたり「何がほしい?」と連絡すると「おまえの野球している姿を見られるだけで幸せだから」と返事が来たという。5月18日の自身の誕生日には兄から財布をもらったそうで「何か返したいと思う」とはにかんだ。

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