体形も球も、キレキレ! 防御率0点台、ソフトB田浦の成長曲線「流れのまま一気に投げ込めている」

2023年06月28日 08:00

野球

体形も球も、キレキレ! 防御率0点台、ソフトB田浦の成長曲線「流れのまま一気に投げ込めている」
ソフトバンク・田浦 Photo By スポニチ
 最近、コロコロとしていない。何か顔つきからシュっとしてきた。秀岳館(熊本)時代から取材してきたソフトバンク・田浦文丸投手(23)のことだ。象徴的だったのが8日のDeNA戦(ペイペイドーム)での1球。9回に4番手で登板。2死から佐野を空振り三振に斬って3者凡退だったがプロの打者が、あからさまに目を丸くして笑ってベンチに戻るのを久々に見た。決め球は切れの増した宝刀チェンジアップだった。
 連日、中継ぎ待機中。今季は体形も、球も、さらに切れが増しているように感じる。3きょうだいの長男。母親が生まれてきた瞬間の“丸さ”を見て直感で「ふみまる(文丸)」と名付けたと聞いた。身長1メートル68はチームの支配下投手陣では最小兵、体重は80キロ。名の通りにマルマルと育ったが、高卒プロ6年目の食事制限が投球に功を奏してきている。少し手応えもあるらしい。

 「え?(体型)変わりました?うどんとか、炭水化物の量を減らしましたかね。お米は、食べますけど。別に体重はそこまで変わってないけど、打者に向かって、一連の流れのまま一気に投げ込めている感覚はあります」

 以前までは少しトルネード気味にひねって投げていたが、今は体が絞れていて余計なひっかかりがない。福岡県大野城市出身。ご当地選手だが、福岡市内に引っ越した。幼少期から行きつけだった豚骨ラーメン店に行く機会が減ったのも、体の切れにつながっているとローカルネタを出しながら、分析してくれた。

 昔から愛らしい笑顔が魅力で小声、かわいい顔をしている。ただ、瞬発性、凶暴性も秘める小動物系左腕だ。「マウンド度胸はうちの投手陣でもトップクラス。何も心配していない」と斉藤和巳投手コーチは強心臓に太鼓判を押す。ただ、田浦本人は「そうなんすかね?」。ひょうひょうと淡々と、変わらず投げているだけらしい。

 2年前のオフの自主トレで変則左腕の嘉弥真に弟子入り。投球の幅を広げた。強気かつ多彩な攻めから、チェンジアップは多投しない。いざというときに宝刀を取っているだけに、打者は狙いを絞りにくくなっている。鷹の継投に欠かせない男、文丸。日々、成長と落ち着きが見て取れる。(記者コラム・井上 満夫)

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