宮城vs朗希――同学年が見せた「令和の名勝負」3度目の直接対決は火花散る投手戦

2023年06月28日 05:30

野球

宮城vs朗希――同学年が見せた「令和の名勝負」3度目の直接対決は火花散る投手戦
<オ・ロ>6回を投げ終えた宮城(右)と7回のマウンドに向かう佐々木朗(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   オリックス2―1ロッテ ( 2023年6月27日    京セラD )】 01年生まれの同学年の2人が27日、3度目の直接対決で互いに譲らぬ好勝負を演じた。オリックス・宮城大弥投手(21)が8回3安打無失点に抑え、ロッテ・佐々木朗希投手(21)も7回5安打1失点(自責0)。救援失敗で宮城が権利を手にしていたリーグ単独トップの7勝目は消え、共に勝ち負けつかずだったが、過去2戦2敗だった宮城の三度目の正直への思いが上回ったか。オリックスはサヨナラ勝ちし、単独首位に浮上した。
 佐々木朗と一緒にいる時の人懐っこい笑顔は消えていた。1―0の6回2死満塁。宮城はポランコにフルカウントから4球ファウルで粘られるも、最後は10球目の直球で三飛に斬った。「何とか粘れた」。珍しい派手なガッツポーズは、投げ合う相手が同学年の親友だったことと無関係ではないだろう。

 「佐々木朗希というより、自分自身いい投球ができて勝てた。チームとしての勝利で良かったと思う」

 01年生まれの同い年。高3時の日本代表で意気投合し、今年3月のWBCにも一緒に出場した。インスタグラムなどSNSには何度もツーショットを投稿。いじり、いじられ合う、ほほ笑ましい関係だ。1メートル71の左投手と1メートル92の右投手で、柔と剛。タイプはまるで違う。この日も佐々木朗の最速164キロに対し、自身は最遅88キロのカーブなど緩急で勝負。ロッテ打線を8回3安打無失点、8三振を奪った。リーグ単独トップ7勝目の権利を手にして降板した。

 救援した平野佳が追いつかれ、共に白星も、黒星もつかなかった。過去の対戦は2戦2敗。完全試合を許した昨年4月10日以来3度目のマッチアップは、宮城の気迫がわずかに上回った。相手の投球については「自分のことで精いっぱい」と笑ったが、対戦前の「チームとしては嫌だけど、個人としては同学年。うれしいな、と思いながらいい勝負ができたら」との言葉を胸に秘めての熱投だった。

 先にマウンドを降りた佐々木朗は中8日で7回5安打1失点。今季6度目の2桁10三振を奪い、防御率1.69はリーグトップとなった。2回に今季初の3連打を浴び、4暴投は球団ワースト記録。敵地マウンドの傾斜が合わずにボールが高めに行きやすく、より低めを意識した結果で「ここ最近にしては粘り強く、低めに集めることができた」と手応えを得た。

 「(宮城は)素晴らしい投球。お互いレベルアップできるよう競いたい」と佐々木朗。7回無死一塁では脱水症状で右足がつりそうになり、一度ベンチに下がったが続投した。これは右腕の意地だった。まだ21歳。プロ野球の未来を担う2人の投げ合いは、令和の「名勝負数え歌」としてこれから何度もファンの胸を躍らせていく。(鈴木 勝巳)

 ≪朗希が球団ワースト更新の4暴投≫佐々木朗(ロ)が1試合4暴投。プロ野球記録は08年新垣渚(ソ)の5暴投だが、ロッテでは村田兆治ら8人が12度記録した3暴投を抜くワースト新記録となった。

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