エンゼルス・大谷翔平 MLB一番乗り40号 右中指つって降板後に一発

2023年08月05日 02:30

野球

エンゼルス・大谷翔平 MLB一番乗り40号 右中指つって降板後に一発
<エンゼルス・マリナーズ>8回、大谷は40号ソロを放つ(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【ア・リーグ   エンゼルス3-5マリナーズ ( 2023年8月3日    アナハイム )】 緊急降板から二盗、そして球団最速40号――。エンゼルスの大谷翔平投手(29)が3日(日本時間4日)、マリナーズ戦に「2番・投手兼DH」で出場。右手中指がつり4回無失点降板も、8回に今季両リーグ最速、自身2年ぶりの40号ソロを放った。110試合目の40号は球団最速。今季14個目の敬遠で出塁した6回は、二盗も決めて一時逆転劇を演出。逆転負けとなったが、先発投手が本塁打と盗塁をマークするのは59年ぶりだった。
 慌ただしかった。4回表終了後のエンゼルスベンチ。大谷が、肘当てを着けながらバットを手にベンチ奥へ消えた。スイングで体の状態を確認。「中で振ってみて決めました。出た方がチームの勝つ確率は高い」。1番のレンヒーフォが初球で右直に倒れると、革手袋を着けながら足早に打席に向かった。

 「大事な試合。1点争うゲームなので、投げる選択の方が迷惑がかかる」

 打席直前。59球を投げ3安打無失点だったマウンドを降り、フィル・ネビン監督に降板を申し出た。4回の投球練習中に異変を感じ、回の途中で右手中指がつった。思うように力が入らない。降板とDHでの出場続行を決断した。

 1点を追う6回2死から、3ボールになると走者なしの状況で今季14個目の申告敬遠。すぐに二盗を決める「敬遠破り」のダメージを相手に与え、後続の連続適時打で2―1と逆転した。8回は右翼席へ弾丸ライナーのソロ。「本塁打じゃなくても、四球でもプラスになる打席にしたいと思った」。46本塁打した21年の122試合目より12試合早い、110試合目の40号は、球団史上最速で今季メジャー一番乗り。大リーグ公式サイトは、先発投手による「盗塁&本塁打」は、64年5月7日のマッドキャット・グラント以来59年ぶりと称えた。

 降雨中断で2回降板した4月17日を除き、4回降板は今季最短だった。7月末以降、脇腹、両脚ふくらはぎに続く右手中指の「けいれん」。「一番は疲労だと思う。単純に」と大谷も珍しく「疲れ」を口にした。5月3日から80試合連続出場し、東海岸との移動を含む16連戦の10戦目。一方、この日の直球平均球速は、年平均より1・8マイル(約3キロ)速い98・7マイル(約159キロ)と、普段以上の負担もあった。「調子は良かった。出力も高かった。むしろそのせいで、ああいう形になってる」と自己分析した。

 9回に守護神エステベスが逆転満塁弾を浴び、痛恨の3連敗。40号の直後、バナナでエネルギー補給した大谷は言った。「休めるような試合はないと思う。できるなら全部、出たい」。PO争いへ正念場の残り52試合。二刀流を支える気力に、陰りはなかった。(柳原 直之)

 ≪“投げて歩いて走って打った”1920年以降史上初≫米スポーツ専門局ESPNは「ショウヘイ・オオタニが今夜、全部やってのけた」とし1試合で「4回無失点、本塁打、盗塁、4出塁(2安打2四球)」をマークしたのは1920年以降史上初と伝えた。史上初だった21年に続く2度目の「40本塁打&150奪三振」も達成した。エ軍で2度以上の40本塁打は00、01年のトニー・グラウスと15、19、22年のトラウト以来3人目。110試合で40本塁打はシーズン58本塁打ペースとなった。リーグ2位でトップに4差の82打点はシーズン120打点ペースで、21年の自己最多100打点の更新も確実だ。

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