広島・新井監督「野間にかけた」無死一塁でヒッティング強攻策→小園同点打→代打・松山サヨナラ決めた

2023年08月05日 05:02

野球

広島・新井監督「野間にかけた」無死一塁でヒッティング強攻策→小園同点打→代打・松山サヨナラ決めた
4日巨人戦の9回、新井監督はサヨナラ打の松山を抱き締める(撮影・西川 祐介) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島4―3巨人 ( 2023年8月4日    マツダ )】 広島は4日の巨人戦で今季4度目のサヨナラ勝利を飾った。1点を追う9回は1死満塁の好機で小園海斗内野手(23)が右前適時打。土壇場で追いつくと、1死満塁で代打・松山竜平外野手(37)が一塁へサヨナラの内野安打を放ち勝負を決めた。無死一塁では犠打ではなくヒッティングの強攻策に出て、勝利につなげるなど、新井貴浩監督(46)の采配も光った。
 チームメートにもみくちゃにされながらも、松山はうれしそうだった。9回に同点に追いつき、なおも1死満塁で代打で起用されると、中川の初球を強振した。打球は一塁手・岡本和のグラブに一度は収まるも、三走の野間が生還。サヨナラ勝利に歓喜のウオーターシャワーが飛び散り、球場は大歓声に包まれた。

 「打てるところは全部振ってやろうと思っていた。(代打通算)100本目が最高のヒットになった」

 代打での節目の安打が劇的な結末を呼んだ。この打席は5回に死球を受けて途中交代した会沢からリストバンド借りて打席に向かった。無念の交代となった仲間の思いを胸に、チーム最年長が一振りで試合を決めた。「思い切っていった分、当たりは悪かったけど、良いところに飛んだ」と照れくさそうに振り返りながらも、喜びをかみしめた。

 1点を追う9回はチーム一丸で攻め立てた。先頭の菊池が右前打を放つと、続く野間の打席でベンチは犠打ではなく、ヒッティングのサインを出した。新井監督は采配の意図を説明した。

 「(犠打で)送る選択肢もあったと思うが、仮に送ったとしても選手が、打つのを待つだけになる。それが嫌だった。あそこは野間にかけた」

 その強攻策が的中し、野間が中前打でつなぐと、秋山の投前犠打は野選となり、チャンスが広がった。上本が左飛の後は、小園が前進守備の一、二塁間を破る同点の右前適時打。土壇場で流れをたぐり寄せる一打を「何とか前に飛ばして、何でもいいからことを起こすしか(頭に)なかった。結果を出せて良かった」と振り返った。

 5回から4イニング連続で3人で攻撃が終了するも、最後の最後に打線が意地をみせた。指揮官は親しみを込めてヒーローを「さん付け」するなど選手たちの奮闘を称えた。

 「本当によく打ってくれた。小園も最後の松山さんも。先頭のキク(菊池)が出て、野間、そしてアキ(秋山)もしっかり送ってくれて、みんなで勝ち取った最後だった」

 逆転勝ちは今季20度目でリーグトップ。16年~18年の3連覇時も毎年40試合以上、逆転勝ちを収めてきたが、黄金期に似た雰囲気が漂う。上昇へ勢いづく1勝となったに違いない。(長谷川 凡記)

 ▼広島・野間(1点を追う9回無死一塁で、指揮官の期待に応えて中前打でつなぎ、逆転サヨナラ劇をお膳立て)送りバントも頭にあったけど、強攻。ベンチの意図は“つないでくれ”だったので、思い切っていきました。

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