4年ぶりに戻ってきた甲子園の日常 敗れた選手たちの手は真っ黒に…

2023年08月14日 08:00

野球

4年ぶりに戻ってきた甲子園の日常 敗れた選手たちの手は真っ黒に…
試合後、土を集める徳島商ナイン(撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 日本の夏の風物詩である高校野球の甲子園大会が以前の姿に戻りつつある。19年以来、4年ぶりに声出し応援が解禁され、アルプス席だけではなく本塁打や好プレーの際には球場全体から大歓声が湧き上がる。地方大会からよく耳にする「盛り上がりが足りない!」と叫ぶ応援は甲子園でもトレンドになりつつあり、多くの代表校が流れを変えようとアルプスから声を張り上げている姿が印象的だ。
 勝者、敗者にかかわらず戦い抜いた選手からも「こんな大歓声の中でやれたのは幸せ」や「一生の思い出になる」などの声が上がる。感動した様子で話す表情はやり切った充実感で満ちあふれている。

 敗者を象徴する姿も戻った。試合後、取材対象の選手はベンチ裏の通路で取材を受ける。笑顔で引き上げてくる勝利チームの後ろから歩いてくるのが敗れたチームだ。戦い抜いたユニホームだけでなく、手のひらは真っ黒に。土を集めたからだ。コロナ下では土を集めることが禁止されていた。4年ぶりに復活。ある選手は充実感たっぷりの笑顔で、ある選手は悔し涙にくれながら土をかき集める。そんな姿は、何度見ても心を打たれる。

 105回大会を迎え、ベンチ入り人数が18人から20人に増えたほか、選手の暑さ対策のため、5回終了後には10分間のクーリングタイムを設けたり、タイブレークの適用が延長10回からとなるなど、時代とともにルールなどが変わりつつある甲子園。今夏も残す試合は18試合。歴代最多140本塁打を誇る花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(3年)や、西武、巨人などで活躍した清原和博氏の次男である慶応(神奈川)の勝児内野手(2年)、広陵(広島)の真鍋慧内野手(3年)、沖縄尚学の東恩納蒼投手(3年)ら、注目選手はまだまだ勝ち上がっている。青春に身をささげ、甲子園で躍動する球児たちの勇姿を、目に焼き付けたい。(記者コラム・村井 樹)

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