神村学園の背番号10黒木好救援 女手一つで育ててくれた母に「感謝しかない。恩返しができるように」

2023年08月14日 19:02

野球

神村学園の背番号10黒木好救援 女手一つで育ててくれた母に「感謝しかない。恩返しができるように」
<市和歌山・神村学園>8回1死一塁、併殺でピンチを切り抜け、笑顔でグラブを叩く神村学園・黒木(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会   神村学園11―1市和歌山 ( 2023年8月14日    甲子園 )】 神村学園初の夏2勝の立役者は、背番号10をつけた左腕の黒木陽琉(くろぎ・はる=3年)だった。
 出番は突然だったが、心の準備はできていた。3点を先制した直後の初回の守り。先発した2年生左腕の今村拓未が3四死球と制球を乱して2死満塁のピンチに救援を告げられた。小田大介監督から「初回から、もしかしたらあるかも知れない」と伝えられていた。「初回に野手が打ってくれて。自分が抑えてしっかり流れを持ってこないといけないと思った」と気合が入った。最後はスライダーで空振り三振に抑えると、黒木もベンチの小田監督も感情を爆発させて喜んだ。2回以降も打線の援護を力に140キロ前後の直球やスライダーを駆使し、失点は犠飛の1点のみ。8回4安打8奪三振1失点の好投に笑みがこぼれた。

 黒木は宮崎県延岡市出身。「強いチームで甲子園に」と神村学園に進んだ。1年の6月には投げ込む量が増えたことにより左肘の疲労骨折や靱帯の損傷などケガも経験。入院もして「野球ができるか分からない」と言われたこともある。2年春に復帰してからも、昨秋の鹿児島大会、九州大会はベンチ外も経験してきた。冬場は直球の質とスタミナアップをテーマに走り込みなどに力を入れてきた。その成果を発揮した。

 先月30日が誕生日だった母・咲子さんへの感謝の思いが強い。延岡市の自宅から下道で約4時間かけて学校に駆けつけ、チームメートの保護者とともに選手の夕食をつくるなどサポートしてくれる存在。「感謝の気持ちしか、ないです」と黒木。咲子さんは女手一つで育ててくれた。「悲しませないように。甲子園でしっかり恩返しができるように。結果で頑張ろうと思います。ひとつ、ひとつ勝って日本一を目指せるように頑張りたいです」と力を込めた。17日の3回戦では北海と対戦し、夏初のベスト8を目指す。

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