【甲子園】花巻東・柏崎駿 打撃投手で完全燃焼する“最後の夏”「みんなが“お前のおかげで打てた”と」

2023年08月14日 05:05

野球

【甲子園】花巻東・柏崎駿 打撃投手で完全燃焼する“最後の夏”「みんなが“お前のおかげで打てた”と」
一塁側アルプス席で応援する花巻東・柏崎駿(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会第8日2回戦   花巻東2―1クラーク国際 ( 2023年8月13日    甲子園 )】 【声援よ君に届け】<花巻東・柏崎駿>花巻東にはベンチ入りの20人以外にも、大きな戦力がいる。その一人が打撃投手を務める柏崎駿(3年)だ。横手投げの右腕はこの夏、特に甲子園入りしてからの貢献度が大きかった。
 「みんなが“お前のおかげで打てた”と言ってくれた。それがうれしかった」。初戦の宇部鴻城と、この日のクラークの主戦投手はともに右横手。相手投手の得意球を「似せて投げてくれ」と注文され、初戦に向けた打撃練習ではチェンジアップを投げた。苦労したのは、クラークのエース・新岡歩輝(3年)のシンカー。今まで投げたことのない球種だったため「映像で新岡投手の投げ方を見て練習した」という。

 打撃投手専任になったのは、Aチームから外れた4月のこと。佐々木洋監督から「ケガで苦労したから入れてやりたかった。でも、まだチームに貢献できるぞ」と言われた。昨年3月の投げ込みで右肘の外側に痛みが走り、6月に滑膜切除術。長いリハビリに耐え12月に復帰した。メンバー入りを目指し、上手投げから横手投げへ転向。苦難を乗り越えてきたからこそ「悔しかった」が、チームを裏方として支えていこうと心に決めた。

 そんな柏崎を再び苦難が襲う。今度は右肘の内側を痛め、軟骨が変形していた。「大学で野球を続けるならすぐ手術を」と病院で告げられたが、手術は受けなかった。「このチームで完全燃焼しようと思った。野球は高校でやめます」。将来の夢は証券マン。中3の頃から投資に興味を持った。高校最後の夏、柏崎は打撃投手として完全燃焼し、次の夢へ歩み出す。(秋村 誠人)

おすすめテーマ

2023年08月14日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム