プロ1号のソフトB・井上が実践している王会長の教え 「バットは右手のひらで握らず、指で握れよ」

2023年09月26日 05:00

野球

プロ1号のソフトB・井上が実践している王会長の教え 「バットは右手のひらで握らず、指で握れよ」
<ロ・ソ>プロ1号の記念球を手にする井上(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク10―1ロッテ ( 2023年9月25日    ZOZOマリン )】 ソフトバンクは25日、同率2位のロッテと対戦し、1―1の5回に井上朋也内野手(20)がプロ1号となるソロ本塁打を放ち勝ち越すと、打線の勢いは止まらず10得点を奪い快勝した。CSを争うロッテとの直接対決に連勝し単独2位に浮上。残り8試合で本拠CSへ加速する。また先発の和田毅投手(42)は気迫の投球を見せ5回1失点で7勝目を挙げた。
 外角低め直球を、強引にしばき上げた。これが、井上らしさだ。1―1の5回先頭での2打席目。カウント1―1から小島の143キロを迷わず振り抜いた打球は左翼席へと一直線。1軍出場11試合目、31打席目で決勝のプロ1号を放り込んだ。

 「甘いストレートを完璧に捉えることができました。自分の長所は長打だと思う。大事な場面で初ホームラン。素直にうれしいです」

 「7番・三塁」で2試合ぶりスタメン。柔剛を織り交ぜた。2回1死一塁での1打席目は、フルカウントから四球で出塁。次の打席で出場3試合連続安打となる初アーチを放ち打線を勢いに乗せた。6回の最終打席でも超ストロングスタイルを貫いた。

 「とにかく自分のスイングをすることだけ」

 4―1の6回1死で3ボールからの4球目直球を強振。二飛に終わったものの、20歳の右の大砲候補はチームを勝ちへと導こうとした。6回の守りから川瀬と交代も藤本監督は、全打席を高評価。「試合前から打つんじゃないかと雰囲気あったんよ。待てのサインはないし気持ちいいよね。思い切り行ってくれたら」とご機嫌だ。

 またしてもロッテに強烈な印象を与えた。6日のロッテ戦で1軍デビュー。初昇格初スタメン、初安打に初マルチ、そして初のお立ち台に立った。この日はロッテとレギュラーシーズン最終戦。5連勝締めで今季12勝12敗1分けの五分で終えた。再対決の可能性があるCSでのロッテキラーに名乗りを上げ「いいイメージで行けると思います」と笑っていた。

 1軍の舞台に立つ前に王貞治球団会長に言われたことがある。「バットは右手のひらで握らず、指で握れよ」。当然、実践し続けている。「今は小指と薬指で握るのがベストです」。この日、王貞治球団会長も福岡から観戦に訪れ「そうそう(井上)良かった!。これからどんどん打つよ」と拍手で球場を後にした。

 チームは11安打10得点の快勝で単独2位に浮上し残り8試合。27日にオリックスと対戦する。23日の同戦で井上は2安打。「残り全部勝って2位でCSに行けるようにしたい」。井上の気概、長打は不可欠なものとなってきている。(井上 満夫)

 ◇井上 朋也(いのうえ・ともや)2003年(平15)1月28日生まれ、大阪府出身の20歳。花咲徳栄では高1夏の甲子園に野村(日本ハム)と出場し、2回戦敗退も1回戦の鳴門戦ではV打を含む3安打2打点と活躍した。3年の甲子園交流試合では大分商に3―1で勝利。高校通算50本塁打。20年のドラフト1位指名でソフトバンクに入団し、2年目の昨季は椎間板ヘルニアの手術を受けた。1メートル81、88キロ。右投げ右打ち。

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