「周東塾」 ソフトバンク縦割り秋季キャンプで盗塁王が実演をまじえノウハウ伝授

2023年11月04日 06:00

野球

「周東塾」 ソフトバンク縦割り秋季キャンプで盗塁王が実演をまじえノウハウ伝授
<ソフトバンク秋季キャンプ>走塁練習でチームメイトに手本を見せる周東(左端)(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 「周東塾」開講――。ソフトバンクは3日、宮崎市内での野手の秋季キャンプ第1クール2日目に、周東佑京内野手(27)が、午前の技術練習で育成含む4選手に盗塁の基礎を的確に指導した。今季36盗塁で3年ぶり2度目の盗塁王となったタイトルホルダーの実演に、後輩たちは感嘆や、うなりの声を上げていた。
 これぞ、球団初の試みとなる「投手」と「野手」分離型、縦割りキャンプの醍醐味(だいごみ)だ。午前の技術練習で周東先生が、盗塁のノウハウを実演した。

 「聞かれたら、そりゃあ何でも答えますよ。でも、きょう教えたのは、盗塁における基本的な部分ですかね」

 城所龍磨2軍外野守備走塁コーチが、周東盗塁講座を事前に企画。見事に刺激満載の成功に終わった。集められた精鋭は、いずれも快足自慢の笹川吉康、育成外国人のマルコ・シモン、育成の佐藤航太、桑原秀侍の4人。投手役を城所コーチが務め、盗塁王が初めて実演指導をしてみせた。

 帰塁以外の二盗における動作を、動きながら説明を付け加えた。“ギータ2世”こと笹川が特にうなったのが、体重移動だった。「重心の置き方というかリードの際に両膝にかかる体重比から的確でスタートもスムーズ。近づきたいと思ったし、来年1軍で僕が盗塁王を取りたい」と鼻息が荒くなっていた。

 すべてを盗み、同じ道を、駆け抜けろ――。周東にはそんな粋な計らいもある。球界トップクラスの韋駄天(いだてん)は18年の育成2位入団から支配下を勝ち取り、20年に50盗塁で同出身者初の盗塁王に輝いた。同年には13試合連続盗塁を決めてMLB記録も更新。“世界の周東”は、侍ジャパンでも欠かせなくなった上に、今季2度目の盗塁王となった。

 ドミニカ共和国出身で19歳の育成、シモンも興奮を隠しきれなかった。「周東さんは素晴らしい足を持っていて、いい形の走り方でした。スタートの時に上体が一切、起き上がらない。これからも教えてほしい」と指導継続を切望。周東は「シモンは身体能力が抜群なんで、もっと走れると思いますよ」と期待した。

 育成入団1年目を主に4軍で奮闘した佐藤航には、すべてが新鮮だった。「盗塁の一歩目から一つ一つの動きが素早いし無駄がない」。育成4年目に挑む桑原も「われわれは行くときは行くと決めるが、周東さんは常に盗塁できるタイミングを取っている。初めて学べた。このキャンプのメリットだと思います」と分離キャンプの利点を強調。周東先生の的確指導は、4軍制を敷くチームの奥底にまで響いた。 (井上 満夫)

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