亀山つとむ氏 オリックス・山本を救った右翼・森のスーパーキャッチ

2023年11月04日 23:20

野球

亀山つとむ氏 オリックス・山本を救った右翼・森のスーパーキャッチ
<オ・神>4回、近本の飛球を好捕する森(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【SMBC日本シリーズ2023第6戦   オリックス5ー1阪神 ( 2023年11月4日    京セラD )】 【亀山つとむ 視点】試合の分岐点になったのは、4回2死一、三塁からの右翼・森のスーパーキャッチだった。近本のフェンス直撃性の打球をジャンプ一番で仕留めた。岡田監督のリクエストでもアウトが覆ることはなかった。
 苦しい立ち上がりの山本を救うプレーだった。今季のレギュラーシーズンでの先発右翼はわずか5試合。それでも必死の思いで打球を追った。フェンス際の技術うんぬんではなく、気持ちで捕った。抜けていたら、間違いなく逆転。阪神にとってはあと10センチ、いや5センチで明暗が分かれた。紙一重の試合だったと感じる。

 ピンチを切り抜け、山本はスイッチを入れた。5回から別人のような投球で阪神に立ちはだかった。138球完投。9回のマウンドでもエースが背負う責任が見えた。「完投して、明日につながるきっかけも与えない。明日は全員で勝ってくれ」というメッセージも伝わる投球だった。

 熱い関西シリーズはついに第7戦までもつれこんだ。このシリーズでは両軍とも、まさかというミスが出ている。阪神が8失策、オリックスが6失策。だが、面白いのはミスした方が不利になるという単純な流れにはならないことだ。

 野球にはいろんなミスがつきもの。力のある両軍でも、その例にはもれない。ミスが出たことから切り替えて、チャンスに変えた方が勝つという展開が続いている。その典型的なのは阪神の森下だ。チャンスをつぶしたり、守りでミスをしても、最後に取り返して、勝利を呼び込む選手になっている。第7戦は宮城が相手。森下、大山の右打者が攻略のポイントになる。

 ここまで来たら、敗戦から切り替えて、阪神は改めてチャレンジャー精神で向かっていくことが必要だ。ミスを恐れることなく、踏ん張って勝機を見いだしてほしい。最後を青柳に託すというのも、湯浅起用に続く岡田監督の思い切った一手だ。青柳で開幕した今季。紆余(うよ)曲折はあったが、最後を託す。これもドラマだ。頓宮、紅林、杉本らの右打者をしっかり封じ、青柳ならではの投球を期待したい。

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