たとえ座るベンチが変わろうとも… 来季へ胸躍る中田と秋広の“師弟アーチ合戦”

2023年11月28日 07:20

野球

たとえ座るベンチが変わろうとも… 来季へ胸躍る中田と秋広の“師弟アーチ合戦”
シーズン中の試合前練習で、秋広(右)とノックバットでバッティング練習する際、くしゃくしゃの笑顔を見せていた中田翔 Photo By スポニチ
 11月23日に巨人のファンフェスタが、東京ドームで行われた。フィナーレでは入院中だった長嶋茂雄終身名誉監督が登場。阿部新監督に促され「勝つ、勝つ、勝~つ!」と94年の10・8決戦前に響かせた伝説のフレーズで来年90周年を迎えるチームを鼓舞。盛況ののち、宴は幕を閉じた。
 残念ながらこの場に不在だった男がいる。15日に球団と合意の上で複数年契約を解除し、今季限りでの退団が決まった中田翔だ。ファンフェスタ終了後、G党が別れを惜しむように外野スタンドで応援歌を演奏していたのが印象的だった。

 中田翔は日本ハムで同僚への暴力行為を行い、21年8月に巨人へ無償トレードされた。自らまいた種とはいえ、心労も重なり、体重はベストの110キロ前後から20キロ減。とても野球をやれる状態ではなかったという。そこに弟子入りを志願したのが、高卒1年目を終えたばかりの秋広だった。「なんで俺?他におるやろ」と中田翔は戸惑ったが、「食トレ」でプロ仕様の体となった秋広は高卒3年目の今季、才能を開花させた。

 師匠の34歳の誕生日だった4月22日のヤクルト戦(神宮)。1点を追う2回二死一塁で、小川から右中間へプロ初安打初打点となる同点適時打を放ったかと思えば、秋広がプロ初本塁打を放った同29日の広島戦では中田翔が「手本見せてやるから見とけ」と宣言してサヨナラ弾。初のアベック弾に「特別に思いますし、個人的にも凄くうれしい」と喜んだ。

 秋広が11月のアジアプロ野球チャンピオンシップでの侍ジャパン入りを報告した際、中田翔は「俺はジャパン4回。まだまだだぞ」とハッパをかけたという。グラウンド内外で、強固な師弟関係が築かれていた。中田翔の来季所属球団は未定だが、合同自主トレも継続予定。今度はベンチの異なる両雄が競い合うようにアーチを架け合う姿をファンも楽しみにしている。(記者コラム・花里 雄太)

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