日本ハム育成2位・平田 高3夏に5戦連発「くじけない」男

2024年01月27日 06:00

野球

日本ハム育成2位・平田 高3夏に5戦連発「くじけない」男
支配下昇格へ意気込む平田 Photo By スポニチ
 【24年版球界新士録(12)日本ハム育成2位・平田大樹外野手】プロ入りの道は突然開かれた。平田がNPBの“スカウト網”にかかったのは瀬田工3年夏のこと。練習試合で別の選手を視察に訪れていたスカウトの前で、5試合連発を放って一気にドラフト候補に。「運良く本塁打を打てた時期にスカウトさんが注目してくれた。まさか、プロに入れるとは思ってもいなかった」と振り返った。
 一時は諦めかけた道だった。高2秋に新型コロナ感染から髄膜炎を発症。「横になっていればマシだが、立ち上がったら吐き気と頭痛が…。首はカチコチになって動かなくなった」。約1カ月間の入院で体重はみるみる落ち、70キロから10キロも減少し「もう野球はできないだろうなと思っていた。完全に心が折れていた」

 絶望の中で仲間の存在が励みになった。平田が離脱した2年秋の大会中、ベンチに自身のグラブを置いて戦ってくれた。「みんなが待っていてくれたので、頑張るしかないと思って」。症状が回復し始めた昨年2月から全体練習に参加。3年春は大事を取って欠場したが、食事とトレーニングで体重も戻し、最後の夏に間に合った。

 プロ入りする選手の大半が早くにスカウトの目に留まり、その後の成長を注視されるものだ。3年夏でのドラフト候補入りは異例だが、絶望の淵からはい上がって道を切り開いた。「あの経験があれば、ちょっとやそっとではくじけない。育成からはい上がっていきたい」。今なお新型コロナの後遺症に苦しむ人たちのためにも、勇気を与える存在になる。(清藤 駿太)=終わり=

 ◇平田 大樹(ひらた・だいじゅ)2005年(平17)8月25日生まれ、大津市出身の18歳。瀬田小3年から野球を始め、中学は湖南ボーイズに所属。瀬田工では1年秋に背番号8でベンチ入りし、3年夏は滋賀県大会2回戦で敗退。高校通算21本塁打。家族は両親と姉2人。趣味はバス釣り。1メートル81、72キロ。右投げ左打ち。

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