笹崎里菜さん 明るい笑顔に秘めた強くて揺るぎない意志 中丸雄一が惚れたその人間力
2024年01月16日 19:03
芸能
インタビュールームに入ってきた表情が印象的だった。笑顔の奥に垣間見える独特の緊張感。訴訟の経緯を聞かれるのは確信していたのだろう。少し強ばった笑顔を見て、こちらも少し申し訳ない気持ちになったことを覚えている。
緊張を和らげるため、入社から約4カ月の仕事の現状について質問を重ねた。研修の話、同期との関係、先輩アナとのエピソード…。中でも、担当になることが決まっていた「シューイチ」の印象については「皆さん、とてもアットホームで優しくて。最初は足を引っ張ってばかりだと思うけど、早くこの場所に入りたい、と思いました」と目を輝かせた。
取材が少し和んだところで、日本テレビとの訴訟について聞いた。記者は本人だけの判断とは思えず、周囲の意見もあっての行動だったのかと質問した。しかし、笹崎さんはきっぱり否定。「自分のことなので、自分で決めて、自分の意思で取った行動でした」と言い切った。それほどまでに、強くアナウンサーの仕事に就きたいと熱望していた。
再度の内定を勝ち取った後、誹謗や中傷があることも覚悟の上だった。「自分では気にしていません。まあ気にしてもしょうがないから」と自分に言い聞かせるように語った笹崎さん。ただ「今は仕事に必死で、どう見られているか正直頭が回らないんですよね」と笑顔を見せた。
当時、夢見ていたのは東京五輪に関わる仕事だった。しかし、その中枢を担う仕事からは縁遠く、それより何より、東京五輪自体が当初の予定よりもあまりにも変貌した形での開催となってしまった。
笹崎さん自身は、想像していたアナウンサーとしての未来を歩めたのだろうか?退社した今、その思いを聞くのは難しいが、自分が正しいと思ったことを貫いた姿勢は、まさにジャーナリスト。新婚生活が落ち着いたら、フリーとして、また現場に戻ってこられることをぜひ期待したい。(江良 真)