【王将戦】藤井聡太王将 現在地は「森林限界」から「樹海」へ さらなる高みへ「さまよっている感じです」
2024年02月07日 04:45
芸能
「洗練された素晴らしい雰囲気で対局できるのが楽しみ。スコアを意識せず、2日間にわたる対局になるので、一手一手つくり上げていくような将棋にしたいです」。開幕3連勝で迎え、王将戦では2年ぶりのストレート獲得がかかる。王者は前夜祭で抱負を述べた。
3期連続の王将戦立川対局。第71期は開幕4連勝で奪取し、前期は2勝1敗から敗れてタイに追い付かれた。
第71期は5冠となり19歳6カ月の史上最年少王将をかなえた。その一夜明け会見で語ったのが、富士山を望む対局地にちなむ質問「富士登山に例えると何合目か?」への答え。「森林限界の手前くらい。上の方には行けてません」だった。
森林限界とは、低温や水不足のため森林の生育が不可能となる限界を指し、標高3776メートルの富士山では5合目、2500メートル付近を指す。
昨年10月、史上初の全8冠独占を果たし、では現在は何合目か?改めて問うと「樹海をさまよっている感じです」。当時から2年。富士山の樹海は標高920~1300メートルにあり、より競技の奥深さを知ったことで半減したということか。
裏返せば全8冠を独占してもなお、認識した理想の棋士像までの道のりの長さ。新たなモチベーションを発見したとも受け取れる回答だった。現在地を再確認した藤井が3連覇へ向かう。