小澤征爾さん 切り開いたアジア人指揮者の道 完璧な指揮テクニックと抜群のリズム感を武器に

2024年02月10日 04:30

芸能

小澤征爾さん 切り開いたアジア人指揮者の道 完璧な指揮テクニックと抜群のリズム感を武器に
02年1月、ウィーン・フィルニューイヤーコンサートで指揮する小澤征爾さん Photo By AP
 欧米の聴衆から高く評価され、世界のスター指揮者の仲間入りを果たした小澤さん。欧米出身者が絶対だったクラシック音楽の世界でアジア人が生きる道を、人生を懸けて切り開いた。
 武器は、抜群のリズム感と恩師斎藤秀雄仕込みの完璧な指揮テクニック。師バーンスタインは「謙虚さ、好奇心、真実を探し出す力を持っている」と評した。

 生前、指揮について「生き方であり、音楽家自身の人柄が重要になる」と語っていた。常に曲を暗譜。楽譜を見ながらでは演奏家に目が行き届かないからとしていたが、数時間に及ぶオペラの楽譜を全て覚えるのは、並大抵の努力ではなかったはずだ。

 小澤さんを撮影してきたカメラマンの木之下晃さん(2015年死去)は「見慣れない東洋人の指揮者を迎えた楽団に受け入れてもらうための、彼なりの工夫の一つだった。全て暗譜で指揮する小澤さんを見て、楽団員が“これは面白い”とやる気を出すきっかけになった」と明かしていた。

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