桂吉弥が噺家生活30周年記念の独演会 演目3題は来場者の投票で決定「お客さんの満足度を上げる公演に」
2024年02月21日 13:34
芸能
公演は30周年にちなみ、大阪・サンケイブリーゼ(5月12日)を皮切りに京都・南座(11月24日)まで全国30カ所で開催する予定だ。就職活動していた息子が面接も入社式もオンラインで行われる現状を知り「今の時代とは乖離(かいり)してるかもしれないけど、足を運んで、生で見てもらいたい」とライブ感を取り入れたいとの思いを強くした。
公演当日は「青菜」「かぜうどん」「崇徳院」「ちりとてちん」など用意した30の演目から、来場者に投票してもらい演じる3席を決める。40分の大ネタばかり3本が選ばれる可能性もあるが「体力的、気力的には大丈夫。お客さん的にもおもしろいかも。上演前に話し合って決めましょうか」と語った。
今回の企画は、東京の落語家・立川談春(57)の叱咤もキッカケとなった。「談春さんから“お前、楽なところでしか勝負してない”と言われた」。落語だけでなく、テレビ、ラジオでも活躍。自身は努力してるのだが、さらなる飛躍を期待されているからこそのゲキだ。25周年の5年前に6日間連続で1人3席の「十八番」を上演。上方落語界で桂米朝さん、桂枝雀さんについで3人目となる偉業に挑んだ。「談春兄さんからは、米朝師匠の得意ネタで十八番、吉朝師匠のネタで十八番。6日間、6日間をやるぐらいじゃないと、と言われました」。ビッグプランにもチャレンジしたい。
昔から先輩たちに「噺家は50代が一番仕事もできる。体力、技術力、ネタのバリエーション、そして人間力。落語をして一番幸せと感じられる時」とアドバイスされてきた。30周年で52歳と今、充実期の真っ只中だ。吉朝さんは「米朝の落語をオレがやって継承したいとずっと言ってた」と明かし、「ウチの師匠は“米朝”になりたかったのでは」。自身の大目標は「上方の落語なら“ああ、吉弥さん”と言われるようになりたい」。その行く先は“米朝”“吉朝”の名跡継承につながるかもしれない。