谷口キヨコ ネコの飼い主歴25年(3)大失恋を機に迎えた銀次郎に、先住の金太郎はご機嫌ナナメ
2024年04月08日 16:00
芸能
その後なんだか気になって3、4回見に行きましたが、その度にやっぱり誰彼かまわずにゃあにゃあ言ってました。だんだん大きくなっていく猫。どんどんにゃあにゃあ鳴く声も大きくなっていく猫。ケースの場所も、よく見える上段からいつのまにか端の下段に移動していました。
11年前の春。私、大失恋しまして…その足で、そのにゃあにゃあ鳴く猫のところに行きました。開店とほぼ同時やったと思います。その頃には生後3カ月近くになって、だいぶ大きくなっていた猫を「連れて帰ります!」と店内で宣言。その2時間後には、ほんまに家に連れて帰りました。寂しさを猫で紛らわせようとしたんです。
名前はやっぱり和風と決めていて、太郎の次は二郎(次郎)やな、と。で、目つきもあまりよくなかったし、色もシルバータビーだったこともあり、ワルな風味の『銀次郎』にしました。
その頃、うちには先住猫の金太郎くんがいました。14歳だけどまだまだ元気な金太郎くん。あんなに人にはなつくのに…老猫になっていた金太郎くんは1人と1匹の生活を謳歌(おうか)していたようで、そこに招かれざる猫→銀次郎が登場。よほど機嫌を損ねたようです。まだ子供の銀次郎くんは遊んでほしくて金太郎くんに近寄りますが、金太郎くんはそれが嫌で嫌で逃げ回る…。その繰り返しで…仲良くなんて全くならない2匹でした。
私の勝手で一緒に暮らし始めた猫たち。ストレスやったやろうなぁ。よく家出しなかったなぁ。そのときも申し訳ない気持ちでいっぱいやったけど、今更どこかにお願いするわけにもいかず…私がいないときは別々の部屋で、私が帰宅してからはその規制をなくす感じで暮らしていました。それでもニアミスしてケンカしてましたが…。
やんちゃだったぎんちゃんは走り回るし、壁はかきまくるし、わが物顔で家を荒らします。大切なミスチルのポスターにも飛び付いてびりびりにされたときにはさすがに腹が立ちましたが…。やっぱりストレスやったんやろなぁ…。その原因は猫ではなく、私にあったんですよ、よく考えもせずに感情だけで2匹目を迎え入れたことに。
そして、金太郎くんと銀次郎くんが同居していた、彼らにとっては地獄やったかもしれない期間は意外にも早く終わりを告げるのでした。