結城モエ 文学と音楽を力に 26日公開「乱歩の幻影」映画初主演 30歳「覚悟が芽生えた」

2024年07月10日 05:00

芸能

結城モエ 文学と音楽を力に 26日公開「乱歩の幻影」映画初主演 30歳「覚悟が芽生えた」
クールな表情を見せる結城モエ(撮影・大城 有生希)
 女優の結城モエ(30)が三十路で迎える初主演映画「乱歩の幻影」(26日公開、監督秋山純)で飛躍の演技を見せている。大学卒業後の17年に女優デビュー。ここ2、3年で出演作が増え、日本テレビ1月期ドラマ「新空港占拠」のCA役などで存在感を高めている。「自分の中でスイッチというか覚悟が芽生えた」と決意を新たにした。
 「乱歩の幻影」はミステリーの大家・江戸川乱歩の秘密に迫る物語。結城は乱歩に心酔するあまり“乱歩の幻影”が見えてしまう弓子を演じる。「自分もそういう没入していく感覚がある」という。演技に入り込みすぎてしまい「せりふが飛ぶのとは違って“あれ、今何してるんだっけ?”って頭が真っ白になることがあるんです」と笑った。

 父と母の部屋の本棚に大量に並ぶ本を、幼い頃からむさぼり読んだ文学少女。劇中に登場する乱歩の「蟲」にものめり込んだ。愛する女性を殺した男が“虫”に犯されていく死体とともに自らの精神も壊していく狂気の物語。「凄い話だけど、人間誰しもこうなってしまう側面を持っているのではと感じてしまう」とうなずく。

 そのルックスと、知的でミステリアスな作中での雰囲気から物静かな性格に見えるが、話してみれば真逆の印象。メリハリの利いた口調と大きな手ぶりで堂々と自身の考えを語る。初主演にも「いつの間にか撮影が終わっていました」とあっけらかん。

 強さの原点は2歳から始めたピアノにある。6歳の頃には、作曲した楽譜が参考書に掲載された天才音楽少女でもあった。コンクールにも毎年のように出場し「ステージに立つと自分しか頼れるものがない。本番に立ち向かう度胸はピアノのおかげ」と胸を張る。

 「作曲者の感情の流れを読み取れないと良い演奏ができない。原作者の思いをくみ取って自分が表現していく芝居に通じるものがある」。幼い頃から慣れ親しんだ文学と音楽で培った力で、これから始まる女優人生の第1章をつづり、奏でていく。(塩野 遥寿)

 ◇結城 モエ(ゆうき・もえ)1994年(平6)5月18日生まれ、福岡県出身の30歳。慶大法学部卒。14年のミス慶応コンテストでファイナリスト。17年ドラマ「脳にスマホが埋められた!」で女優デビュー。11日開始の日本テレビ系「クラスメイトの女子、全員好きでした」では猫魔里菜役で出演。特技はピアノで絶対音感の持ち主。趣味はワイン、戦争や音楽の歴史の勉強。1メートル65。

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