福部真子、天国から一転4位 女子100メートル障害決勝 大混戦の写真判定で1位誤表示

2023年06月04日 05:30

陸上

福部真子、天国から一転4位 女子100メートル障害決勝 大混戦の写真判定で1位誤表示
<陸上日本選手権>女子100メートル障害決勝で、一度は1位と表示され、号泣する福部(右から2人目)を慰める寺田明日香(左から2人目)と青木益未(右)(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【陸上・日本選手権第3日 ( 2023年6月3日    大阪・ヤンマースタジアム長居 )】 8月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)代表選考を兼ねて行われ、女子100メートル障害決勝で参加標準記録を突破している福部真子(27=日本建設工業)は12秒99で4位となり代表切符はお預けとなった。大混戦の写真判定で1位の誤表示があり、その後訂正された。寺田明日香(33=ジャパンクリエイト)が2年ぶり5度目の優勝を飾った。
 注目を集めていた女子100メートル障害決勝で異例の事態が起きた。上位4人が横一線でゴールする大混戦。速報を示す電光掲示板の1位に表示された日本記録保持者の福部は涙を流し、仲間からも祝福された。ところが、その後に寺田の優勝、福部は0秒04差の4位で確定。すでに参加標準記録を突破していた福部は3位以内なら世界選手権代表に決まっていたものの、3位と0秒03差の4位のためにお預けとなった。

 天国から地獄に突き落とされ、今大会での世界切符獲得を逃した福部は号泣した。「負けたのは分かっていたけど、電光掲示板を見て“えっ”という感じだった」。自己ベスト12秒台が5人そろい、予想どおりの接戦となった中での誤表示。2年ぶり5度目の優勝を飾った寺田も素直に喜べず「その時々で人生に関わることもある。選手もショックを受けちゃうので、しっかり見て判断していただけたらと思う」と苦言を呈した。福部と寺田は同じユニホームを着ていた。

 信じられない形で迎えた結末。日本陸連は「写真判定員の着順判定中の記録が大型映像に出力されてしまったため、正式な着順、記録とは違うものが一時表示された」と状況を説明したが、後味の悪さが残った。

 かつて高校総体を3連覇し、天才少女と呼ばれた福部は、一時の低迷を乗り越え、トップに返り咲いた。まだ世界選手権の可能性を残している27歳は、涙を流しながら「これが(パリ五輪のある)来年じゃなくて良かった。この失敗を生かしてこそ、私だと思う」と語った。

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