【玉ノ井親方 視点】貴景勝の今場所綱獲りは「正直、厳しくなった」 途中出場の朝乃山に敗れ3敗目

2023年11月19日 19:57

相撲

【玉ノ井親方 視点】貴景勝の今場所綱獲りは「正直、厳しくなった」 途中出場の朝乃山に敗れ3敗目
朝乃山に敗れガックリの貴景勝(撮影・中村 達也) Photo By スポニチ
 【大相撲九州場所8日目   ○朝乃山(下手投げ)●貴景勝 ( 2023年11月19日    福岡国際センター )】 途中出場の朝乃山がどんな相撲を取るのか注目していたが、気持ちで勝ったような一番だった。左ふくらはぎの肉離れで7日目まで休場していたこともあり、やはり足は前に出なかった。
 そこを大関に見透かされ、突き放されて後退。左を差される形になり、土俵際まで押し込まれた。しかし、俵伝いに回り込みながら、逆転の左下手投げを決めて物言いの末に初白星を手にした。

 貴景勝の相撲が悪かったわけではない。大関の敗因は、土俵際で押し切ろうとした時に右脇が空いて、朝乃山に左下手を取られたこと。ただ、あの場面は止まらずに勝負にいくポイント。前に出たのは仕方がない。

 これで貴景勝は3敗目。今場所の綱獲りには、ハイレベルな内容を求められていただけに正直、厳しくなった。ただ、これで全てが終わったわけではない。後半戦の7日間は上位陣との対戦も控えている。苦しい中でも、最後まで自分の相撲を取り切ることが次につながる。

 朝乃山は立ち合いの踏み込みもなく、ほぼ受ける形での相撲。ケガで場所前の2週間、ろくに稽古ができなかったハンディもある。それでも出場してきたのは、自分で戦えると判断したからだろう。

 危なっかしい相撲でも、勝てたというのは、何かをやってやろうという強い決意の表れ。まだ足は動いていないが、土俵の感覚は徐々につかめるようになるはずだ。(元大関・栃東)

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