楽天ドラ1・荘司“9度目の正直”プロ1勝 自己最多117球6回零封「本当にお待たせしました」

2023年07月06日 05:30

野球

楽天ドラ1・荘司“9度目の正直”プロ1勝 自己最多117球6回零封「本当にお待たせしました」
<楽・オ>プロ初勝利を挙げ石井監督(右)と記念撮影する荘司(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   楽天6―1オリックス ( 2023年7月5日    楽天モバイル )】 想像をはるかに上回わる喜びだった。9度目の挑戦で念願のプロ初勝利。楽天・荘司は「いざこうなると予想以上にうれしいもんですね」と言い、ヒーローインタビューでは本拠地のファンに「本当にお待たせしました」と声を張った。
 「今日で終わらせる。初勝利を挙げるんだ。やるしかない」
 雨が降り続く中でも、立ち上がりから出力全開。プロでは最速タイの153キロを連発し、初回は2三振を含む3者凡退。2回以降は走者を背負っても要所を締めた。6回で自己最多の117球。6回5安打無失点で見事に勝利をつかみとった。

 小5で書いた夢シートに「一流のプロ野球選手」と記した。「甲子園に出て優勝する」「早稲田大学に行ってドラフト1位で巨人に入団する」。未来予想図は思い通りではなかったが、いくつもの挫折を乗り越え“ドラ1”の夢は実現させた。

 中学時代に所属した新潟西シニアでは補欠。希望していた投手ではなく外野手で、しかも試合に出られずボールボーイや道具運びに明け暮れた。「仲良しのチームメートがいたので続けていたけど、野球が楽しくなかったし、頑張ろうという気持ちは正直なかった」。新潟明訓で甲子園を目指すも3年夏の新潟大会は初戦敗退。指定校推薦で立大に進んだ。いつしか子供の頃に抱いたプロの夢は消えたが、不思議と野球をやめるという選択肢はなかった。立大1年の時に右肩を痛め、頭角を現したのは3年秋。遅咲きながら最速157キロを計測し、ドラフト会議で楽天とロッテの2球団が競合した。

 夢には続きがある。「メジャーを目指したいという思いはもちろんある」。ドラフトの交渉権獲得の当たりくじに、石井監督は人気映画「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーのせりふを記した。「無限の彼方へ さぁ行くぞ!」。無限の可能性を秘めた右腕が大きな一歩目を踏み出した。(重光 晋太郎)

 ≪一場に並ぶ球団“最遅”≫楽天のドラフト最上位入団ルーキーの白星は、21年の早川以来11人目。そのうち先発勝利は10人目になるが、先発9試合目でのプロ1勝は、05年一場靖弘に並ぶ最も遅い記録になった。

 ◇荘司 康誠(しょうじ・こうせい)2000年(平12)10月13日生まれ、新潟県出身の22歳。新潟明訓では2年春に公式戦デビュー。甲子園出場経験はなし。立大では4年の7月に侍ジャパン大学日本代表としてハーレム国際大会出場。22年ドラフト1位で楽天入団。1メートル89、86キロ。右投げ右打ち。

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