エンゼルス・大谷 笑顔なき32号…6度目“サイクル未遂”もPS進出崖っ縁 借金生活転落

2023年07月10日 02:30

野球

エンゼルス・大谷 笑顔なき32号…6度目“サイクル未遂”もPS進出崖っ縁 借金生活転落
<ドジャース・エンゼルス>7回、2ランを放った大谷(左)はネビン監督とグータッチ(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【インターリーグ   エンゼルス5―10ドジャース ( 2023年7月8日    ロサンゼルス )】 エンゼルスの大谷翔平投手(29)が8日(日本時間9日)、前半戦最終戦のドジャース戦に「1番・DH」で出場し、両リーグ単独トップを独走する5試合ぶりの32号2ランを放った。チームは今季ワーストの5連敗で4月24日以来となる借金生活に転落したが、今季6度目の「サイクル未遂」の3安打3打点と孤軍奮闘。9年ぶりのポストシーズン進出へは崖っ縁の状況だが、勝負の後半戦へ弾みをつけた。
 笑顔はなく、恒例の兜(かぶと)の儀式もなかった。大量7点ビハインドの7回。大谷が2番手右腕グローブの低めのスライダーにバットを一閃(いっせん)。角度29度で高々と舞った打球は、中堅右寄りのスタンドに軽々届いた。

 両リーグトップを独走する32号2ラン。今季最多5万3057人の大観衆を集めた敵地ドジャースタジアムで初本塁打。米通算22球場目での一発は29歳初アーチで、敵地にもかかわらず、スタンドからこの日一番の大歓声が湧き起こった。年間56発ペース。フィル・ネビン監督も「彼には素晴らしい夜だった。打撃は非常に良い状態にある」と目を細めた。

 圧巻の前半戦を鮮やかに締めくくった。初回に中前打を放つと、3回にグローブから両リーグ単独トップに立つ今季6本目の三塁打。7回のアーチで、9回は二塁打なら自身2度目のサイクル安打達成だったが、左犠飛で快挙達成とはならなかった。それでも、今季6度目の「サイクル未遂」は02年のティム・サーモン、04年のウラジーミル・ゲレロに次ぎ球団史上3人目。前半戦だけで6度は、54年のデューク・スナイダー(ドジャース)、75年のウィリー・スタージェル(パイレーツ)、77年のロッド・カルー(ツインズ)以来、史上4人目となった。打率は再び3割(・302)に乗せた。

 敵地は「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」と題し、日系コミュニティーとの交流イベントを実施。試合前に和太鼓の演奏が披露され、日本語でドジャースと記されたユニホームが配布された。敗れはしたが、最後は大谷が主役を奪った。

 一方で、チーム状況は深刻だ。2試合連続の2桁失点で今季ワースト5連敗。4月24日以来の借金生活に転落し、ワイルドカード圏内に4・5ゲーム差の地区4位。9年ぶりのポストシーズン(PS)進出へ崖っ縁だ。左手骨折のトラウトら故障者続出が大きく響き、この日も代役アデルが初回の打席で左脇腹を痛め負傷交代した。8月1日(日本時間2日)のトレード期限を控え、現地報道では大谷の移籍に関する話題も再燃している。

 昨年は借金14、21年は貯金1で折り返し、PS進出を逃した。「昨年よりはいいポジションにいる。いい流れに乗れば、まだ戻れる」とネビン監督。大谷もチームも、まだ諦めてはいない。3年連続で選出された11日(同12日、シアトル)のオールスター戦を挟み、後半戦へいちるの望みを懸ける。(柳原 直之)

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