大谷翔平がトラウト離脱翌日に明るく振る舞った理由とは ゴルフゲームでナインを笑顔に

2023年07月10日 08:00

野球

大谷翔平がトラウト離脱翌日に明るく振る舞った理由とは ゴルフゲームでナインを笑顔に
<パドレス・エンゼルス>8回、左手首を痛めベンチに戻るトラウト(左)を心配そうに見つめる大谷(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 独特の甲高い笑い声がビジタークラブハウスに何度も響き渡った。パドレスの本拠地ペトコ・パーク。7月4日の試合開始約3時間前。登板日のエンゼルスの大谷は、同い年の盟友フレッチャーとクラブハウスの中央に設置されたゴルフのアーケードゲーム「Golden Tee」を楽しんでいた。
 手のひらでアーケードマシンのボールを転がし、スイングの向きや強さを調整。OBや簡単なパターを外すと、2人で大笑い。いつしか他の選手も集まって一緒になって盛り上がっていた。

 担当記者として心に響くものがあった。登板日としては異例の光景で、大谷は意識して明るく振る舞ったように見えたからだ。前夜3日のパ軍戦は8回に主砲トラウトが左手首を痛めて緊急交代。試合後のクラブハウスは物音一つしないほど静寂に包まれ、ナインの表情は一様に沈んでいた。

 最大8あった貯金がどんどん目減りしていく日々を目の当たりにし、大谷もチームの中心として感じるものがあったに違いない。フィル・ネビン監督は大谷のグラウンド外での振る舞いを高く評価しており「仲間たちと本当に楽しくやっている。見ているこちらも楽しい気持ちになる」と話している。

 チームは前半戦を今季ワースト5連敗で終え、遂に貯金を使い果たし4月24日以来の借金生活に転落した。トラウトは左手有鉤(ゆうこう)骨の骨折により、復帰は最短でも9月。8月1日(日本時間2日)のトレード期限を控え、“移籍の可能性”が再燃し、クラブハウスに設置されているテレビでも連日のように大谷に関する話題が放送されているが、負傷者リスト入りしている捕手オハピーがチャンネルを率先して替えるなど、大谷に引っ張られるように、仲間たちも良い雰囲気を取り戻そうと必死に取り組んでいる。

 メジャー6年目。9年ぶりのポストシーズン進出へ巻き返すのか、それともこのまま沈んでいくのか。常勝軍団で世界一を目指す大谷の姿も見てみたいが、このエンゼルスでプレーオフを戦う姿も見てみたい。大谷の笑顔の裏に隠れた思いはまだ誰も知らない。(記者コラム・柳原 直之)

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