あの「泣き虫翔太」が! 阪神・森下の親友もプロ1号に感慨 泣いたら終わりの“殺人ノック”で成長した

2023年07月10日 07:00

野球

あの「泣き虫翔太」が! 阪神・森下の親友もプロ1号に感慨 泣いたら終わりの“殺人ノック”で成長した
大学日本代表に選出された森下(右)と親友の斎藤大輝さん Photo By 提供写真
 【セ・リーグ   阪神1-0ヤクルト ( 2023年7月9日    甲子園 )】 あの「泣き虫翔太」が――。阪神・森下の中学時代のチームメートで、現在は社会人野球の東芝でプレーする斉藤大輝内野手(22)がプロで戦う親友との思い出を語った。
 「中学の時は泣いてるのが印象的ですね」

 戸塚シニア入団時から身体能力の高さを発揮していた森下。だが中学1年時は試合の大事な場面でミスをすることが多く、そつなくプレーする斉藤とは対照的な粗削りの選手だった。内面も幼く、試合中にはよく、ふてくされたような態度も取っていた。そんな試合後にコーチから飛ぶのが「森下、ノック」の声。森下一人を対象にした“殺人ノック”開始のゴングだった。

 至近距離から飛んでくる強烈な打球を捕球したかと思えば、間髪入れず次の打球が飛んでくる。大きく左右にも振られた。終了時間は設定されていない。斉藤は記憶をたどりつつ「何球、捕球したら終わりとかもない。翔太が泣いたら終わりです」と笑った。森下は当時、自他ともに認めるチーム一の泣き虫。とはいえ監督、コーチは憎くて泣かせたわけではない。大きな期待の裏返しでもあった。森下は涙の数だけ、心身両面で強くなった。

 グラウンド内外で一番の親友同士。互いの自宅は車で30分ほど離れていたが、「僕が翔太を連れ回していました」。ある夏には自転車で待ち合わせ、週に4度もプールに出かけたこともあった。最上級生になってからは斉藤が遊撃、森下が三塁を守り、強固な三遊間コンビを形成した。

 中学卒業後は斉藤が横浜、森下は東海大相模と、神奈川県内の名門に分かれて進学。今度はライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)した。大学は斉藤が法大、森下が中大とリーグこそ違ったが、4年時にはともに大学日本代表に選出され、日の丸を背負って戦った。

 斉藤は昨秋ドラフトで指名漏れ。東芝で腕を磨き、来秋ドラフトを見据える。「ずっと翔太を見てきましたけど、プロで活躍すると思っています。一緒の舞台でまたプレーしたい」。親友であり、ライバル――。お互いにとって、その存在が何よりの宝物だ。

 ◇斉藤 大輝(さいとう・だいき)2001年(平13)3月21日生まれ、神奈川県出身の22歳。六ツ川中時代在籍の戸塚シニアでは3年時に主将。横浜では1年春からベンチ入り。夏の甲子園大会に3年連続出場。法大では4年時に森下(中大)とともに大学日本代表選出。現在は社会人の東芝でプレー。1メートル78、81キロ。右投げ右打ち。

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